電子キーボード音楽研究
Online ISSN : 2189-9193
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ISSN-L : 2189-9339
10 巻
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原著論文
  • バイエル9番の演奏改善を目的として
    田中 功一, 小倉 隆一郎, 鈴木 泰山 , 辻 靖彦
    2015 年10 巻 p. 3-12
    発行日: 2015年
    公開日: 2017/04/10
    ジャーナル オープンアクセス
    保育・教員養成校のピアノ実技授業における学習支援策の一つとして、筆者らは演奏見える化ツールを活用した実践を試みている。本論文ではピアノ未経験者用としてバイエル 9 番を課題曲に設定した実践を行った。その結果,未経験者用課題においても演奏見える化ツールの活用有効性が示されたことに加え、指導方針や芸術的指向性が異なる複数の教員の授業における、本ツールの適用可能性が示された。
  • 赤津 裕子
    2015 年10 巻 p. 13-23
    発行日: 2015年
    公開日: 2017/04/10
    ジャーナル オープンアクセス
    保育者養成を目指す本校では、ML システムを用いたピアノ初心者用カリキュラムの開発に着手し5年となる。この間に、学生の実態の把握からつまずきの原因を明らかにし、指導内容と方法の両面から授業の見直しを行ってきた。授業をとおして手ごたえが感じられたので、実際に初心者がいかにピアノの基礎技能を習得し、音楽能力を高めることができたかを明らかにしたいと考えた。本論では音楽的な技能が形成される過程について ML システムが及ぼした成果と課題について研究することとした。方法として、初心者の学生を対象とし、ピアノ演奏技術、表現力、音楽基礎能力、心情の4つの側面から実技テスト及びアンケートを前後期各々のまとめの時期に実施し、検討することとした。この結果から、ML システムを活用した授業において次の成果が確認できた。ピアノ演奏技術・表現力の面では、タッチがしっかりし指先で音のコントロールができるようになり、フレーズを感じて弾けるようになった。音楽基礎能力の面では、特に音の高低、主要三和音、音階について理解できるようになった。心情面では、学生相互や指導者との間に良い雰囲気が生まれ、わかりやすい授業が作り出されていた。これらの成果に結びついた要因についても検討し、ML システムに関しては主に次の効果が大きいと考えている。直接的な機能による効果、指導内容の多様性からくる効果、学生相互及び指導者とのコミュニケーションによる効果の3つである。本研究の実践面では、教員研修を通じたカリキュラム改善の PDCA サイクルの定着が大きく寄与している。次のサイクルに向けた課題についても付記した。
  • 電子楽器を含むアンサンブルでの試行錯誤と考察
    森松 慶子
    2015 年10 巻 p. 24-31
    発行日: 2015年
    公開日: 2017/04/10
    ジャーナル オープンアクセス
    電子楽器から音を出すためにスピーカーは不可欠であるが、スピーカーから出る音は、アコースティック楽器の音とは出方、減衰の仕方が異なる。そのため、電子楽器と PA を使用しないアコースティック楽器でアンサンブルする際は、音量バランスをとるのに工夫が必要である。その場合、音響学的な基礎知識や機材のノウハウとともに、人間の音の聞き方や感じ方に対する想像力が大切である。また、そうしたことを電子楽器奏者が心得ておくだけでは不十分である。共演者に、機械的な話としてではなく、音楽的な事柄として理解してもらい、より良い結果を得るために積極的に関与してもらう努力も必要である。電子楽器が音楽の世界で一般的な市民権を得るためには、重要な過程の一つである。 本論では、基礎的な音響学の用語を整理しながらスピーカーからの音の出方を理解し、実際の演奏の場でどのような工夫が有効か、筆者自身が演奏の現場で経験してきたことと、理論的な知識を随時照らし合わせながら記述する。
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