論文ID: jslsm-46_0028
近年,薬剤耐性菌の蔓延は深刻な問題であり,抗菌剤の適正使用と新規治療法の確立が急務である.光線力学的抗微生物化学療法(Photodynamic antimicrobial chemotherapy: PACT)は,薬剤耐性菌を含む広範な病原微生物への有効性が期待され,ヒト医療では研究が盛んに行われている.一方,獣医療ではその研究は限定的であり,包括的な報告は不足している.本総説では,近年報告された獣医療におけるPACTの研究を疾患別に集約し,獣医療への応用の可能性や意義について紹介する.