目的:テルル化亜鉛カドミウム半導体カメラを用いた心筋SPECT検査は撮像時間短縮や患者被曝を低減する可能性がある。われわれは低量投与と通常量投与の心筋カウントと画質を前向き研究にて比較検討した。方法:対象は
99mTc-tetrofosminを用いた負荷—安静 1日法の負荷心筋 SPECTを行った 100例である。通常量投与(296/740MBq)プロトコールは 50例に行い、負荷時 5分、安静時 3分撮像し、低量投与(185/370MBq)プロトコールは 50例に行い、負荷時 10分、安静時 6分撮像した。両方のプロトコールにおいて、心筋画質スコアは 4段階(1=poor, 2=adequate, 3=good, 4=excellent)で評価し、心筋カウントを求めた。結果:低量投与の心筋画質スコアは通常量投与と比較し同等であった(3.8 ± 0.4 vs 3.9 ± 0.3; 負荷時、3.8 ± 0.4 vs 3.9 ± 0.3; 安静時)。低量投与の心筋カウントは負荷時(11,312,451.3 ± 2,045,607.6 vs 11,928,572.7 ± 2,635,742.7)、安静時 (16,490,955.6 ± 2,164,093.1 vs 16,382,476.3 ± 3,808,452.0)とも通常量投与と同等であった。結語:低量撮像は撮像時間を長くすれば高いカウントが得られ、画質が低下することなく患者の被曝低減が可能であることが示唆された。
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