ノーベル賞候補となりうる革命的な研究成果が、日本から生まれた。
山中伸弥・京都大学再生医科学研究所教授らは、ヒトの皮膚細胞からヒト胚性幹細胞(ES細胞)に匹敵する[人工多能性幹細胞=induced pluripotent stem cell(iPS細胞)]を作り出すことに成功し、科学誌『Cell』131号(2007年)に発表した。この成果は、一度分化した細胞の若返りが通常の実験室で可能であることを実証するとともに、ヒトES細胞が抱える倫理的問題や、再生医療における免疫拒絶反応の課題をクリアし、自分の細胞で難治性疾患を克服する、真の意味での再生医療の開発にブレイクスルーをもたらした。これを受けて米国はただちに、iPS細胞研究を支援するファンディングを開始、欧州ではローマ法王庁の声明まで出された。本成果は、文字通り世界に旋風を巻き起こしている。
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