1.1番草にとうもろこしを主体とした高品質飼料, 2番草にソルガムの収量を確保するため, 筆者等が試作した混播用コーンプランタを, 更に製品化して市販された混播用コーンプランタの播種精度及び実用栽培を九州地域7県の畜産関係試験場で行った。
2.機械の性能はとうもろこしを目皿方式の播種板で, ソルガム種子をロール式繰出装置 (ソルゴーアタッチメント) で播種する方式である。
3.標準的な播種量として, とうもろこしは株間調節スプロケット20歯と18歯の組み合わせで, 株間20cm, 畦間70cmで7, 256本, ソルガムはロールの目盛1.0で350gが播種できる。
4.播種深度は, とうもろこしとソルガムを同じ溝の深さに下種するように調整されているが, 場所によって両草種による播種深さの違いがあった。しかし, 発芽に大きな影響を与えるような浅深ではなかった。
5.各場所におけるとうもろこしの苗立数は比較的均一であったが, ソルガムは場所による差があった。
6.この機種を使って実用的なとうもろこしとソルガムの混播栽培を7場所で行った。1番草の両草種の合計収量はグレィン型ソルガム混播で1, 580kg/10a, ソルゴー型ソルガムで1, 779kgであり, 1, 900kg以上を確保したのは3場所であった。1番草収量中のとうもろこしの比率は56~90%と大きく変動したが, グレイン型ソルガムで78%, ソルゴー型ソルガムで70%であった。
7.2番草はソルガムの収量であるが, 1, 000kg/10a以上を確保するには, 1番草のソルガム収量が300kg~700kg, とうもろこしとの収量比率で, 30%程度が必要であった。
8.とうもろこし主体の1番草で2, 000kg/10a以上, 2番草のソルガムで1, 000kg以上の収量が可能であり, 新市販混播用コーンプランタは実用性が高いと考えられた。
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