沖縄県の放牧地における重要な多年生牧草であるジャイアントスターグラス (
Cynodon aethiopicusClayton & Harlan) およびパンゴラグラス品種トランスバーラ (
Digitaria erianthaSteud. cv. transvala) の予乾サイレージについて, 再生期間の長さ並びに糖質や乳酸菌製剤の添加が発酵品質に及ぼす影響を検討し, 以下のような結果が得られた。
(1) 放牧利用される多年生牧草であるGsやPtにおいても, 再生期間あるいは草種の差により発酵品質に明らかな相違が認められた。
(2) 予乾したGsおよびPtに発酵基質であるグルコースを添加することにより, pHの低下, 有機酸組成の改善および窒素化合物の分解抑制の点で, 発酵品質改善効果が示されたが, 乳酸菌製剤の添加による発酵品質改善効果は, 明瞭には認められなかった。
(3) GsおよびPtの予乾サイレージの発酵品質が不良となる原因は, 発酵基質の不足であることが示唆された。
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