発生生態を中心に, 土壌くん蒸剤によるハイイロサビヒヨウタンゾウムシの防除方法について検討した。
1. ハイイロサビヒヨウタンゾウムシの土中生息位置は, 10~20cmに多いが, 20~30cmにも見られた。
2. トンネル内土中からの成虫出現時期は, 2月上旬頃からであった。
3. 出現成虫の産卵時期を成熟卵保有時期から推測したところ, 2月中旬頃からと思われた。
4. 土壌くん蒸剤 (D-D油剤) の効果について再検討したところ, ニンジン収穫後の土中の成虫, 幼虫に対して, 30cm千鳥, 深さ20cm, 1穴3m
lの注入で有効であった。以上のことから, 土壌くん蒸剤を適正使用し, また残存出現成虫を産卵前に防除すれば, 発生密度は低下し, 実害は防止できるものと思われた。
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