2010年に改正臓器移植法が施行されたが, 日本における死後の臓器提供数は現在も極めて少ない現状が続く. 私たちは, 若年世代の臓器移植医療や臓器提供に関する知識と意識の向上を目的として, 福島県の高校生110人と大学生219人を対象に授業を行った. そしてこの試みに対しアンケートを行い, 結果をまとめた. アンケートからは, 移植医療に関する正しい知識を得ると同時に, 授業をきっかけに家族との対話の機会ができ, 臓器移植に対する否定的なイメージが減ったことなどが一部得られた. また, 臓器提供の意思表示に, より積極的に取り組むようになったことが示された. 一方, 臓器提供の意思表示に至るまでにいくつかの課題があることも示された. このような若い世代への介入教育が, 若い人たちの臓器提供に対する意識の一端を知る一助となり, 今後の提供数増加へのアプローチとなることを期待する.
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