流路の蛇行は河床材料の移動によって形成されるものであるから, その形成過程は流砂特性を省略しては論じられないであろう。しかしながら, その発生機構については, 流水自身にも蛇行素因が含まれているように思われる。著者はかつてこのような流水の蛇行素因を究明する目的をもって, 開水路水流に微小変動理論を適用することを試みたが,流れの速度分布に対する考察が十分でなく, 微小変動の不安定限界を具体的に示すことに難点を残したままであった。本文はこうした点について, さきの理論を修正して, 蛇行発生条件の解明に手掛りを得ようとするものである。

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矩形断面の開水路に水深方向に密度勾配のある流れを作り, 層流・遷移・乱流の各状態について流速分布を測定した。この実験のために, 水素気泡法による流速分布の測定器および塩分濃度計の試作を行った。また, カルマン渦の発生についても二, 三の実験を行った。

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