飽食時代を迎え,栄養も充足し体力ができ結核を初めとする伝染性疾病も合成薬品や抗生物質等で激減し,世界一の長寿国をみるに至ったが,逆に個人個人の問題である成人病肥満,高血圧,高脂質症,糖尿病,肝臓病等が死亡の主因を占めるに至った。成人病は食物に由来する所が大きいが,食物は栄養素を含有し,供給するのが一次特性さらに近年に至って必要となった口舌咽の感覚を満足させるのが二次特性とされてきた。これが最近の研究で大豆を初めとした食物中に体内で生理調節機能を営むものが続けて発見され,健康を維持するのに必要なもので,三次機能と呼称することが提案され,ここに機能性食品という用語が生まれた。21世紀の食品にとって最大の課題であろう。
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