本研究の目的は,数量関係を表す図の理解を促す授業を開発し,その学びの様相をもとにして指導への示唆を得ることである。倍の関係を口を使った式で表現させること,視点移動体験を用いて数量関係を把握させること,視点移動体験を用いて数量関係を表す図を理解させること,数量関係を表す図と口を使った式とを関係づけさせること,の工夫をした授業を構想して,実験授業を行った。 実験授業は,2つの道のりを2人の身長にたとえて,見上げること,見下ろすことの視点移動体験を行い,数量関係を表す図に,視点移動で体験した視線を記入させた。 視点移動体験を行った学級は,行わなかった学級より,事後テストの結果が優れていた。視点移動体験によって,数量関係を表す図の理解が深まっていくことが分かった。
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