本研究では，地上設置型太陽光発電施設(PV)の立地データと災害想定区域とを重ね合わせ，PVの被災リスクの把握と災害廃棄物発生量を素材別に推計した．北海道を対象とした推計の結果，全道のPVのうち3割が洪水浸水想定区域に立地しており，被災PV由来の災害廃棄物量は115.6万トンと算出された．そのうち，11.7万トンは埋め立て処分される素材であることから，最終処分場の余剰能力や運搬経路を考慮した分析が今後の課題である．

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日本経済の高度成長に伴い，全国的に無秩序な市街地の膨張が続いた．無計画な開発行為に対して土地利用計画に基づき制限・指導・誘導する有効な手法が発達段階であった．本研究では，神戸市を対象とし，都市開発された宅地と土砂災害リスクの関連性について空間分析し，その特徴を明らかにした．土砂災害リスクが高いと考えられる宅地は，面積が狭く，点在していること，多くのエリアが土砂災害警戒区域を含むことが明らかになった．

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本研究は，災害派遣福祉チーム（DWAT）の基本原則CSCASSSに基づく研修プログラムを開発し，岡山県・兵庫県で試行した．受講者52名を対象に研修前・直後・1か月後の理解度を調査した結果，全項目で研修直後に有意な向上がみられ，多くは1か月後も維持された．特に指揮系統の確認や避難所評価，安全確保，多職種連携の理解が向上したが，一部では低下も認められ，フォローアップ研修や実動訓練の必要性が示唆された．

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本研究は，災害ケースマネジメント（Disaster Case Management: DCM）における実践的なアウトリーチ人材育成に特化した体系的研修の教育的効果を研修前後の質問紙調査により検証した．その結果，研修参加者の知識，理解度，意識が向上し，研修内容の有用性と満足度も高く評価された．したがって，本研修はアウトリーチ実践に必要な知識・対応の獲得に資することが示唆された．今後は本研修プログラムを多地域で実装し，継続的に効果を検証して蓄積する必要がある．

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