(1)カブとルタバガの飼料価値ならびに可消化養分収量の差異を明らかにするため,乳牛を用いて嗜好性,家兎を用いて消化率ならびにそれにもとずく可消化養分収量の差異を調査した。(2)生体中の飼料成分含有率は,地上部,地下部ともルタバガはカブよりも水分含量が低いため各成分の含有率は高く,特に可溶無窒素物および糖分において著しかつた。(3)嗜好性は,地上部においてはルタバガの方がカブよりも著しく良好であつたが,地下部においては差異が少なかつた。(4)地上部の消化率は,可溶無窒素物では種間に差が認められなかつたが,その他の成分では概してルタバガよりもカブの方が高く,特にエーテル浸出物においてやや著しかつた。地下部においては,蛋白質の消化率の差は明らかでなかつたが,その他の成分ではカブよりもルタバガの方が若干高かつた。(5)各種可消化成分およびTDN含量は,地上部,地下部ともルタバガはカブよりも高く,その差は地上部よりも地下部においてやや大であつた。栄養率は両部位ともカブよりもルタバガの方が若干広かつた。(6)10aあたりの可消化養分収量は,本実験に用いた品種においてはルタバガの生体収量がカブの50%程度の場合においても可消化養分収量には著しい差がなかつた。
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