【目的】あいりん地域でよく利用されている料理を参考にして作成した「目安量表」を用いて半定量食物摂取頻度調査法(Semi-Quantitative Food Frequency Questionnaire:FFQと略す)で調査を行った。その妥当性について検討することを本研究の目的とした。
【方法】あいりん地域に生活の拠点を置く者を対象としてFFQを実施し,255名(全男性)の参加者を得た。このうち21名については食事記録についても協力が得られたため,この21名を本研究の対象者とした。食事記録より得られた値を基準とし,目安量表を用いたFFQより得られたエネルギー及び栄養素摂取量,食品群別摂取量について相関係数を用いて妥当性を検討した。
【結果】エネルギー及び栄養素摂取量における相関係数の中央値は粗値で0.57,エネルギー調整,de-attenuation後では0.56であった。相関係数0.4以上が得られたのは粗値でも,エネルギー調整,de-attenuation後でも33項目中28項目であった。食品群別摂取量における相関係数の中央値は粗値,エネルギー調整後共に0.50であり,相関係数0.4以上が得られたのは粗値,エネルギー調整後共に17項目中12項目であった。
【結論】様々な制約はあるものの,この目安量表を用いたFFQは今回の対象者においてある程度有効なツールになり得ることが示された。
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