酸・アルカリ(塩基)については,小学校,中学校,高等学校のいずれにおいても学習する。酸性,中性,塩基性,または中和反応を視覚的に認識するために,指示薬を使うが,この指示薬を用いた演示実験を2つ紹介する。いずれも,インパクトがあり,生徒の記憶にも残る実験である。
本研究は重度の知的障害を伴う自閉症児に対し、発達障がい者支援センターとの連携を通して、歯磨き行動の獲得を目指し実践したものである。まずはM児に、実物や写真・絵などを視覚的に提示することで、混乱のない分かりやすい環境で過ごせることを目指した。そして将来に向けて、目標を「スケジュールの写真や絵を見て行動する」と設定した。具体的な取り組みとしてトランジション(移行)カードを使ったスケジュールを活用し、自ら行動できるよう指導した。
歯磨きについて指導する前は、手先を使った協調運動が苦手で、歯ブラシをうまく動かせないM児に対し、関わる保護者も指導の困難さを日々感じていた。そこで、絵カードを使った視覚的な支援を取り入れ、歯磨きの手順の見せ方を、取り組みの段階に応じて変化させた。また自閉症児の音楽上の特性や、本人の行動の特性を取り入れたオリジナル曲を作曲し、手順書を見ながら曲に合わせて歯磨きができるように工夫した。その結果、スケジュールを見て行動し、自分で手順をめくりながら、オリジナル曲に合わせて歯磨きができるようになり、スキル獲得につながった。
中学校理科では,消化酵素の実験1)として,だ液中のアミラーゼによるデンプン分解反応が有名である。消化作用が視覚的に確認できることが印象的だ。この生徒実験に関連して,酵素というものが身近な生活にも深く関わっていることを実感してもらうための演示実験を紹介する。
小学校学習指導要領(平成29年告示)に基づく生活科教科書における自然災害に関する内容を明らかにするため,全8社の教科書の紙面から自然災害に関する記載をすべて抽出し,分析した.各社の教科書の上下巻をまとめて分析した結果,自然災害に関する記載の出現頻度は4〜45回であり,教科書により大きく異なっていた.また,記載されていた自然災害の種類や数も教科書によって異なっていた.すべての教科書で記載されていた風水害と6社の教科書で記載されていた地震災害と津波災害に関するすべての記載において,安全への意識や安全な行動に関する内容が含まれていた.災害により引き起こされる危険に関して,津波災害ではすべての教科書で記載がなく,地震災害と風水害では記載が一部の教科書に限られた.これらの結果から,生活科教科書において,児童が発災時におけるその場の状況を捉え,危険を予測することに関する内容の充実が望まれる.
すでにアカウントをお持ちの場合 サインインはこちら