女子学生224名についてアンケート調査を行い, 排便傾向と食物摂取状況との関連性を検討した。排便回数が週に3回以下のものを便秘とみなし, 集計した。
1) 学生は自宅通学が84%, よく欠食する者は13%でそのほとんどが朝食であり, 欠食状況や居住形式と排便傾向とは関連性がみられなかった。
2) 90%の人が便秘と健康に関連性があると考えているにもかかわらず, 便秘の人が25%を占めた。
3) 便秘の場合には, 硬い便の人が35%と高く, また排便に要する時間も長くなる傾向がみられた。
4) 胃腸の具合に関しては, 下腹部痛があったり, 膨満感がよくあると答えた人のうち便秘の人が各々64%, 70%を占めた。
5) 排便の時刻に関しては, 便通のよい人の場合には朝食後が50%以上の高い率を示したが, 便秘の人の場合には一定の排便時刻はみられなかった。
6) 食品摂取状況と便秘との関連性を検討したところ, 野菜類といも類の摂取量と排便回数との間には関連性がみられなかったが, 乳類の摂取量は便秘の人では少なかった。特に発酵乳飲料やヨーグルトの摂取が少なく, 便秘の人の51%が月に1~2回以下の摂取であり, さらに排便回数が少ない人 (週に1~2回) では摂取頻度が低く, 75%の人が月に1~2回の摂取であった。
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