「幼児視聴率調査」は、東京30キロ圏に住む2~6歳の幼児の1週間のテレビ視聴と録画番組やDVD、インターネット動画の利用状況を測定する世論調査で、NHK放送文化研究所が継続的に実施してきた。今回は2024年7月の調査の結果を報告する。
週間接触者率はテレビ総計で63.3%、録画番組・DVDは41.3%、インターネット動画では68.8%となり、テレビとインターネット動画が同程度の水準に並んだ。また、週平均1日あたりの視聴時間量では、テレビ総計41分、録画番組・DVDは13分と2022年に比べて減少した一方、インターネット動画では47分と増加しており、幼児のメディア利用におけるインターネット動画の存在感が増す結果となった。
テレビ放送は食事時や家族との視聴で多く利用され、インターネット動画はさまざまな場面で利用されていた。しかし、2022年と比べると、テレビ放送を「家族で楽しみたい時」に見ることが多いと答えた人は減少し、家族視聴というテレビの強みが低下している様子がうかがわれる。インターネット動画では、ゲーム実況やYouTuber動画のほかに、アニメなどテレビでも放送されているコンテンツがよく見られていた。また、インターネット動画を見る機器は、「テレビ」が68%と最も多かった。見ている内容も機器もテレビ放送と同じであり、テレビ放送とインターネット動画の位置づけが近づいてきたといえる。
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