放送研究と調査
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【NHK 文研フォーラム 2019】ワークショップ「WEB式世論調査の可能性」
幼児視聴率調査の実例をもとに
星 暁子
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2019 年 69 巻 7 号 p. 22-35

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抄録

NHK放送文化研究所では、住民基本台帳から無作為抽出した調査相手に郵送で協力依頼し、WEBやアプリで回答してもらう世論調査の方式「郵送依頼WEB回答方式(WEB式)」の研究を行っており、1996年から継続して(2004年を除く)郵送法で実施している「幼児視聴率調査」は2016年から実験的にWEB式調査を実施している。3回目となる2018年の調査では、WEB式の有効率が56.1%となり、郵送法の53.1%を上回った。今回のワークショップでは、「幼児視聴率調査」での取り組みについて報告し、調査有効率を維持、向上させるための方策や、WEBブラウザ、調査アプリを使用して回答してもらう世論調査の可能性について、ラウンドテーブル方式で議論した。会場からは、WEB式調査の実査や、調査結果データの傾向に高い関心が示された。また、討論者の佐藤氏(日経リサーチ)からは、従来の郵送法では回答が得られなかった人たちにWEB式でアプローチできているのは有意義であること、調査結果がWEB式と郵送法で異なる要因について今後分析を重ねていく必要性などが指摘された。

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© 2019 NHK放送文化研究所
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