【目的】本研究は女子大学生の脂質および脂肪酸別摂取量を推定し,欠食との関係性を検討するとともに各種脂肪酸摂取量に対する寄与率の高い食品群を検討することを目的とした。
【方法】女子大学生40人を対象に,1日分の写真撮影法と24時間思い出し法を併用した横断研究を実施した。日本食品標準成分表2020年版,脂肪酸成分表編等を用いて食品の選定と栄養価を計算し,得られた数値から欠食の有無による脂質・脂肪酸摂取量の差,および各種脂肪酸の摂取量に寄与率の高い食品群を検討した。
【結果】脂質の摂取量平均値は 59.4±20.8 g,飽和脂肪酸は 15.5±6.3 g,一価不飽和脂肪酸では 16.1±8.2 g,多価不飽和脂肪酸のうちn-6 系は 9.1±4.1 g,n-3 系では中央値 (25,75パーセンタイル値) が1.6 (1.0,2.4) gであった。欠食がある者はない者に比べて脂質,飽和脂肪酸,多価不飽和脂肪酸の摂取量が有意に低かった (p=0.009,p=0.001,p=0.009)。飽和脂肪酸最大の摂取源は「肉類 (37.6%)」,n-6,n-3 系多価不飽和脂肪酸ではそれぞれ「油脂類 (22.0%)」,「魚介類 (26.7%)」であった。
【結論】欠食者は脂質,飽和脂肪酸,多価不飽和脂肪酸の摂取量が低く,飽和脂肪酸摂取量に対する寄与率の高い食品群は肉類,n-6 系多価不飽和脂肪酸では油脂類,n-3 系では魚介類であった。
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