詳細検索結果
以下の条件での結果を表示する: 検索条件を変更
クエリ検索: "アデノシンデアミナーゼ"
527件中 1-20の結果を表示しています
  • 高瀬 泰造, 香川 博幸, 白井 睦訓, 渡辺 精四郎, 西岡 幹夫, 河西 浩一
    肝臓
    1987年 28 巻 2 号 143-148
    発行日: 1987/02/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    慢性肝炎,肝硬変,肝癌を対象に,アンモニア比色法によって,
    アデノシンデアミナーゼ
    (以下ADと略す)値を測定した,AD値は慢性肝炎,肝硬変,肝細胞癌において有意に高値を示した.またAD値は,コリンエステラーゼ,アルブミン,血小板との間に,負の相関関係を示し,γ-グロブリン,GOT, LDHとの間に正の相関関係を示した.さらに非代償性肝硬変では,代償性肝硬変に比し,有意に高値を示した.以上のことより,AD値は,慢性肝疾患のスクリーニング酵素として,また重症度判定の指標として有用であると思われた.次にAD値と脾腫の程度とは,有意な相関関係を示し,脾腫がAD値上昇に何らかの関連があることを示唆させた.
  • 崎山 幸雄
    プリン・ピリミジン代謝
    1997年 21 巻 1 号 1-9
    発行日: 1997年
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    A 5 year-old boy with ADA deficiency has been treated with gene therapy which is the first trial in Japan since Augast 1995. T cells of patient's peripheral blood lymphocytes activated with anti-CD 3 antibody and recombinant IL-2 were transduced by a recombinant retrovirus vector, LASN, which contained cDNA of human ADA gene and then re-infused to the patient intravenously after 711 day-culture. We have already performed 10 cycles of the infusion without any side effects.
    Concerning the transduction efficinecy of LASN in vitro, in situ PCR method showed 3-7% of ADAcDNA-positive cells after transduciton procedures. On the other hand, ADAcDNA has been detected in 10-20% of his peripheral blood lymphocytes by semi-quantitave PCR method. ADA enzyme activity in peripheral blood lymphocytes indreased progressively from below 1.0 units to 13.6 units during the therapy.
    The count of his peripheral blood lymphocytes became to keep over 1,000/μl after the six in fusion. We have also found the improvement in both humoral and cellular immunological function tests such as specific antibody respones, serum immunoglobulin levels, isohemagglutinin titers, lymphocyte proliferation responses and DTH skin tests.
    These results suggest definitely that genetically modified peripheral blood lymphocytes improve immune function in vivo after the repeated infusions. In addition to no major side effects we have never detected replication competent retrovirus in his peropheral blood during the course.
  • 崎山 幸雄, 有賀 正, 川村 信明
    臨床薬理
    2001年 32 巻 3 号 445S-446S
    発行日: 2001/05/31
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
  • 竹下 啓, 山口 佳寿博, 橋詰 寿律, 菊地 敬一
    肺癌
    1999年 39 巻 2 号 203-208
    発行日: 1999/04/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    症例は46歳の男性.背部痛を主訴に入院した.胸部単純X線, 胸部CTで, 巨大縦隔腫瘍と両側大量胸水を認めた.縦隔腫瘍の経皮的針生検でT細胞性リンパ芽球型悪性リンパ腫と診断した.胸水細胞診でも異型リンパ球を認めた.胸水は血性, 滲出性で, 胸水のadenosinedeaminase活性 (ADA) は963.2U/Lと著しい高値であった.リンパ増殖性疾患において胸水ADAが高値を呈し得ることは報告されているが, 一般に胸水ADAの高値は結核性胸膜炎の指標として用いられている.未熟なあるいは活性化されたT細胞からADAが産生されることが知られており, 本例の胸水ADAはリンパ腫細胞から産生されたと考えた.著しい胸水ADAの上昇を認めた場合には, 悪性リンパ腫, とくにT細胞性悪性リンパ腫も疑う必要がある.
  • 小田 展子, 有賀 正, 小野 暁, 小林 一郎, 川村 信明, 岡野 素彦, 谷内 昇一郎, 小林 陽之助, 寺田 喜平, 片岡 直樹, 崎山 幸雄
    アレルギー
    2000年 49 巻 12 号 1173-1180
    発行日: 2000/12/30
    公開日: 2017/02/10
    ジャーナル フリー
    アデノシンデアミナーゼ
    欠損症を疑われた2症例(AT, MT)で確定診断を目的とした遺伝子解析を実施, 過去に報告のない3変異を同定した.患児ATの変異はADA遺伝子エクソン4内119Q→停止(父由来)とエクソン8内235R→Q(母由来)であった.患児MTの変異はエクソン4内1塩基欠損(父由来, MTの兄も保有)によるフレームシフトとエクソン8内235R→Q(母由来)であった。また患児MTの母と兄は健常者で赤血球, PBMC中ADA活性は患児と同程度に低く, 赤血球中デオキシアデノシンリン酸化物の濃度は通常の保因者と患児の中間値を示した.母と兄の遺伝子解析の結果, 上記の変異に加え新たな変異のエクソン10内310M→Tを見出した.この変異によるADAは熱処理によってその活性の低下が短時間で誘導され, 不安定であることが示唆された.
  • とくに血清III型プロコラーゲンペプチド値,肝組織所見との対比
    内田 悦慈, 宮田 康司, 松浦 尚志, 増本 陽秀, 古賀 俊逸
    肝臓
    1988年 29 巻 3 号 315-320
    発行日: 1988/03/25
    公開日: 2009/07/09
    ジャーナル フリー
    各種肝疾患において血清Adenosine deaminase (ADA)活性を測定し,各種肝機能検査成績,血清III型プロコラーゲンペプチド(P III P)値および肝組織像との対比を行った.
    ADA活性は,脂肪肝,急性肝炎,慢性肝炎,肝硬変,肝癌,原発性胆汁性肝硬変症の何れの肝疾患においても健常人より高値を示した.また,ADA活性はGOT, P III P, TTT, γ-グロブリンとの間に正の相関関係を,コリンエステラーゼ,LCAT活性との間に負の相関関係を示した.さらに,血清ADA活性は慢性肝炎,肝硬変において,その病態が重症化するに従ってより高値を示し,肝組織所見との対比では,肝の炎症性細胞浸潤および線維化の程度を反映して上昇しており,とくに血清P III P値よりも線維化の程度を良好に反映していた.以上より,血清ADA活性は急性肝炎において肝細胞障害を反映するとともに,慢性肝疾患の組織学的重症度を反映する有用な臨床的指標であると考えられた.
  • 影山 洋, 谷田貝 茂雄, 篠原 保
    医療
    1995年 49 巻 12 号 1036-1041
    発行日: 1995/12/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    大量の両側胸水がみられた結核性胸腹膜炎の1例を報告する. 症例は20歳女性, 約2週間前より発熱があり, 精査のため入院. 39℃台の発熱, CRP高値, 軽度のトランスアミナーゼの上昇とLDH, アルカリフォスファターゼの上昇がみられた. 抗生剤の静脈内投与を施行したが下熱せず, 入院第8病日には左胸水が出現した. 胸水は浸出液で, 細胞診, 好酸菌染色, 一般菌培養は陰性であった. CTスキャンでは腹水も認められ, 第13病日には胸水が増加, 胸腔ドレーンを留置した. さらに第16病日には右胸水も大量に貯留していたため右胸腔ドレーンも留置した. 左胸腔ドレーン挿入時, 胸膜生検を施行したが, ラングハンス型巨細胞が多数みられる類上皮肉芽腫と抗酸性に染色される桿菌が認められたことより結核性胸腹膜炎と診断した. 抗結核薬による治療により, 下熱, 胸水腹水の消失, 炎症所見の陰性化がみられた. 結核性胸腹膜炎の報告はまれであり, 1980年以後我々の調べた限りでは15例の報告をみるにすぎない. この中で両側の胸水貯留した例が1例あるが中等量であり, 本症例のように大量の胸水が両側に貯留した症例はみあたらなかった.
  • 石井 愼一, 長澤 博, 田井 久量, 野田 容子, 秋山 一夫, 竹田 宏, 岡島 直樹, 岡野 弘
    結核
    1997年 72 巻 3 号 153-159
    発行日: 1997/03/15
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    Adenosine deaminase (ADA) is one of the enzymes in the purine metabolism and divided into two isozymes, ADA-1 and ADA-2. It is known that the activity of this enzyme is elevated in the sera of patients with pulmonary tuberculosis, sarcoidosis and other diseases, however there are few reports about the change of the activity of this enzyme under treatment. It is often said that this enzyme may have its origin in T lymphocyte, but it remains to be proved. That goes for each of two isozymes, too. In this study, we investigated the activity of serum total ADA, ADA-1 and ADA-2 in patients with pulmonary tuberculosis on admission and after three months' treatment. We also studied the correlation of lymphocyte subpopulation with these enzymes. The activity of total ADA, ADA-1 and ADA-2 was significantly higher in the sera of patients with pulmonary tuberculosis than in those of healthy persons. ADA-2 activity correlated significantly and negatively with the number of CD 3 + lymphocytes and CD 4 + lymphocytes. The change rate of ADA-2 activity during three months' treatment correlated significantly and negatively with the change rate of CD 4/8. These results may suggest that there is a close correlation between the activity of ADA-2 and lymphocyte subpopulation in the sera of patients with pulmonary tuberculosis. ADA-1 activity did not correlate with lymphocyte subpopulation significantly, but it decreased significantly after three months' treatment. The activity of ADA-1 also may have certain relations with the disease process of pulmonary tuberculosis.
  • 進藤 晴夫, 將積 路代
    日本土壌肥料学雑誌
    1999年 70 巻 1 号 66-69
    発行日: 1999/02/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
  • 大岩 寛治, 博多 尚文, 岡原 和弘, 岡本 茂
    日本臨床外科学会雑誌
    2000年 61 巻 6 号 1586-1590
    発行日: 2000/06/25
    公開日: 2009/02/10
    ジャーナル フリー
    結核性腹膜炎は現在では稀な疾患であるが,特異的な所見に乏しく確定診断は困難である.今回,われわれは癌性腹膜炎も疑い開腹を行い,結核性腹膜炎と診断された1例を経験したので報告する.症例は, 27歳,女性.発熱,腹部膨満,腹痛を訴え入院した.画像診断上,腹水貯留を認めた.試験穿刺された腹水は浸出性で,細胞診と一般細菌培養は陰性だった.腹水中のADAが高値を示したが,結核菌塗抹とPCR法は陰性だった.血中CA-125が高値を示し卵巣癌による癌性腹膜炎も疑われた.保存的治療で改善せず,イレウス症状も増強したため開腹手術を行った.手術所見は大網は肥厚し,腸管の広範な線維素性癒着と,腹膜全体にフィブリンの付着を認めた.肥厚した大網の一部と白苔で覆われた虫垂を切除した.病理組織所見で結核性腹膜炎と診断された.術後,抗結核療法を開始し良好に経過した.結核性腹膜炎は,癌性腹膜炎との鑑別の上でも重要な疾患であると考えられた.
  • 崎山 幸雄
    アレルギー
    1996年 45 巻 7 号 621-626
    発行日: 1996/07/30
    公開日: 2017/02/10
    ジャーナル フリー
  • 遠山 正博, 寺内 一三, 飯塚 誠一
    日本消化器病学会雑誌
    1988年 85 巻 12 号 2633-2641
    発行日: 1988年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
    急性肝疾患42例, 慢性肝疾患363例の血清
    アデノシンデアミナーゼ
    (AD) 活性を測定し次の成績を得た. 1) 急性肝炎 (AH) では高値を示す. 2) A型を除きGPT値と相関せず, 非A非B (NANB) 型で, 回復期高値持続例は遷延化傾向を示す. 3) 肝硬変 (LC) では慢性肝炎 (CH) より高い. 4) 高度上昇例(mean+8SD)の割合は, NANB型LC, B型LC, NANB型CH, B型CHの順に高率である. 5) CH, LCではそれぞれGPT, GOT値と相関せず, 特にNANB型ではトランスアミナーゼ正常例でも高値を維持し動揺が少ない. 以上より, 肝疾患における血清AD活性の測定はNANB型AHの予後推定, 潜在性の慢性肝疾患特にNANB型CHおよびLCのスクリーニングを行う上に有用と考えられた.
  • 佐々木 晶子, 井上 和彦, 御巫 清允, 西岡 久寿樹
    尿酸
    1982年 6 巻 1 号 12-17
    発行日: 1982年
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    We measured ADA activity of lymphocytes in the joint fluid and the peripheral blood for studying whether the immune system is correlated to the purine metabolic system. Method: T-and B-cells in lymphocyte were separated from the peripheral blood and the joint of patients with RA. Enzyme assay is following. The sample is sonicated for 25 sec. at 20KHz and is added to reaction mixture (0.2 mM Tris-HC1 buffer (pH 7.4),3.0 mM [8-14C]adenosine and the enzyme sample). Incubati on times were 30 min. at 37°C. After incubation the reaction mixture is applied over DEAE-cellulose paper. Radioactivity of the sample is measured with liquid scintilation counter. Result: 1. ADA activity of T cells (n mol/hr 106 cells) in the joint fluid is higher than that of B cells. (T: B = 1.6: 1) 2. ADA activity of T cells in peripheral blood is higher than that of B cells. (T: B=1.4: 1) 3. ADA activity of T and B cells in the joint fluid is 1.69 times as high as that in the peripheral blood. And we could get some ideas that the immune system would be related to the purine metabolic system.
  • 癌性胸膜炎と非癌性胸膜炎の比較
    宇佐美 郁治, 加藤 政仁, 黒木 秀明, 花木 英和, 林 嘉光, 武内 俊彦
    肺癌
    1987年 27 巻 4 号 379-384
    発行日: 1987/08/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    胸水症例は日常診療でよく遭遇する疾患であり, その鑑別診断は重要である.初診時胸部X線において肺野に著変を示さない胸水症例に対する超音波断層法の有用性を癌性胸膜炎11例, 非癌性胸膜炎25例について検討した.癌性胸膜炎11例のうち, 8例に不透明肺内部に腫瘤が描出でき, 胸膜生検の場所, その後の検査の方針の決定に有用であった.非癌性胸膜炎の膿胸3例のうち2例ではフィブリンネッツがみられ強い炎症が疑われた.
  • 道野 淳子, 中出 祥代, 佐竹 伊津子, 西野 主眞, 安村 敏, 芳村 直樹, 野村 恵子, 金兼 弘和
    日本輸血細胞治療学会誌
    2012年 58 巻 5 号 704-709
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/11/12
    ジャーナル フリー
    重症複合免疫不全症(severe combined immunodeficiency:SCID)の根治療法として同種造血幹細胞移植は欠かせない.今回,当院で経験したSCIDの2例(X連鎖SCIDおよび
    アデノシンデアミナーゼ
    欠損症)について,前者は前処置なしで,後者は弱い前処置後にHLA適合同胞からのマイナーミスマッチ同種骨髄移植(bone marrow transplantation:BMT)を行い,BMT後の赤血球抗原検査および白血球のマイクロサテライト(MS)多型を用いたキメリズム検査を経時的に行った.2例ともBMT後の免疫機能が改善されたという点では,本来の目的を達成することができた.移植後の経時的変化を追ったところ,症例1(X連鎖SCID)は,2年半後の現在も赤血球はレシピエント型のままであり,白血球は,T細胞以外の他の細胞は混合キメラの状態であった.症例2(
    アデノシンデアミナーゼ
    欠損症)は,1年後の現在,赤血球,白血球はほぼドナー型となった.症例1については,今後も経過観察を行っていく必要がある.
  • 進藤 晴夫
    日本土壌肥料学雑誌
    1992年 63 巻 2 号 190-195
    発行日: 1992/04/05
    公開日: 2017/06/28
    ジャーナル フリー
    畑土壌のプロテアーゼ,β-アセチルグルコサミニダーゼおよび
    アデノシンデアミナーゼ
    活性に及ぼす堆肥連用の影響と土壌のインキュベーションによるこれらの酵素活性の変動ならびに酵素活性と有機態窒素の無機化との関係について調べた.得られた結果は以下のとおりである.1) プロテアーゼ,β-アセチルグルコサミニダーゼおよび
    アデノシンデアミナーゼ
    活性は,いずれも堆肥連用により顕著に増加したが,それらの増加率は,酵素および土壌の種類によって著しく異なっていた.2) 無堆肥区および堆肥区土壌を湿潤状態下 30℃ で7週間インキュベーションしたとき,プロテアーゼおよびアデノシンアミナーゼ活性はともに減少したが,一般に前者のほうが後者に比べて大きく減少した.また堆肥区土壌よりも無堆肥区土壌で大きく減少した.これに対して,β-アセチルグルコサミニダーゼ活性は,若干減少するか,あるいは逆に増加し,この増加の程度は,無堆肥区土壌よりも堆肥区土壌で明らかであった.3) インキュベーション前における無堆肥区および堆肥区土壌の酵素活性と7週間のインキュベーション中に新たに生成した無機態窒素量との関係を調べたところ,プロテアーゼ活性と無機態窒素量の間で,高い正の相関関係 (r=0.793, 2% 水準で有意) がみられた.またβ-アセチルグルコサミニダーゼ活性と無機態窒素量との間でも,比較的高い正の相関関係 (r=0.708, 5% 水準で有意) がみられたが,
    アデノシンデアミナーゼ
    活性に対してはそのような関係はみられなかった.
  • 松下 葉子, 鈴木 克洋, 倉澤 卓也, 高橋 正治, 久世 文幸, 山辺 博彦
    肺癌
    1992年 32 巻 3 号 427-432
    発行日: 1992/04/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    症例は61歳の男性で, 21歳時に施行された右人工気胸術後に膿胸が発症し, 以後潜在性慢性膿胸として経過していた.持続する発熱を主訴として近医を受診した.胸水中ADAは高値を示し, 結核の再燃が疑われた.しかし抗結核剤投与に反応せず, 発熱は持続, 更に右胸壁の疼痛, 腫脹を認めるようになり, 当科に紹介, 入院となる.腫瘤の生検を施行し, B細胞性悪性リンパ腫と診断した.慢性膿胸壁原発の悪性リンパ腫の病因と臨床像, 及びADAアイソザイムとNSEの本疾患の診断に於ける有用性について若干の文献的考察を含めて報告する.
  • 米山 公康
    日本臨床外科学会雑誌
    2008年 69 巻 4 号 946-949
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/10/06
    ジャーナル フリー
    症例は66歳,男性.突然の強い腹痛を主訴として受診した.受診の1カ月前より食欲不振を認めていた.腹部は板状硬で汎発性腹膜炎の状態であった.腹部単純レントゲン写真上腹腔内遊離ガス像を,腹部CTスキャンでは多量の腹水を認め,消化管穿孔の診断で緊急開腹手術を行った.術中所見では混濁した多量の腹水貯留があり,腹腔内には灰白色の小結節が多数散在していた.回腸に結節を触れ径3mmの穿孔部を認めた.盲腸に全周性の腫瘤を触知したため悪性腫瘍の腹膜播種による小腸穿孔と診断し,手術は穿孔部を含む約7cmの小腸部分切除を行った.病理組織検査において小腸漿膜面,腸管壁内および大網に肉芽腫を認め,腹水培養で結核菌が証明され結核性腹膜炎と診断された.結核性腹膜炎に遭遇することは稀となっているが,いまだ無視できない疾患である.
  • 影山 洋, 大田 邦彦, 長谷川 寿彦
    医療
    1994年 48 巻 8 号 638-642
    発行日: 1994/08/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    血液中, 腹水中の
    アデノシンデアミナーゼ
    (ADA), CA-125が高値を示し, 抗結核剤による治療によりその変化を観察しえた結核性腹膜炎の1例を経験したので報告する. 症例は26歳女性, 妊娠8週と診断された後, 腹部膨満が出現し, 腹水を指摘され精査のため入院. 腹水, 発熱, CRPとα2グロブリンの増加がみられた. 腹水は滲出液で細胞診, 培養は陰性, 細胞はリンパ球が約80%であった. 腹水, 血液中のADA, CA-125が高値を示した. 妊娠第11週で自然流産, その後試験開腹術を施行した. 腹膜は肥厚し, 腹膜, 腸管, 卵巣, 卵管の表面には粟粒大の白色の結節が散布性にみられた. 腹膜の結節病変の病理組織所見よりラングハンス型巨細胞と一部に乾酪壊死を伴った類上皮肉芽腫がみられ, Ziehl-Neelsen染色陽性桿菌を認めた. 抗結核剤による治療により炎症反応は陰性化し, ADA, CA-125も低下した.
  • 佐藤 雅彦, 今西 晶子, 岡田 啓司, 安田 準
    産業動物臨床医学雑誌
    2010年 1 巻 4 号 197-202
    発行日: 2010/12/31
    公開日: 2013/05/01
    ジャーナル フリー
    乳汁中の
    アデノシンデアミナーゼ
    (ADA)活性の臨床的意義を検討した.まず臨床的に健康な搾乳中のホルスタイン種成乳牛35頭の乳汁を初乳と常乳(泌乳初期,泌乳最盛期,泌乳中期,泌乳後期)に区分し,乳清中のADA活性値を測定した.常乳の乳清ADAは0.03±0.01 IU/ℓと著しく低値だったが,初乳は11.9±2.9 IU/ℓ(平均±標準誤差,以下同)と,常乳に比べて高値を示した.次に,ホルスタイン種成乳牛11頭について,分娩前後の血清ADA活性値と末梢血リンパ球幼若化能を調べた.また初乳および分娩1週間後の乳清ADA活性値と初乳中リンパ球幼若化能を測定した.これらの結果は,乳汁CMT変法検査が陰性牛の非乳房炎牛(6頭)と陽性牛の潜在性乳房炎牛(5頭)に分けて検討した.分娩前後の血清ADA活性値は,潜在性乳房炎牛が非乳房炎牛に対して高値を示す傾向が認められ,初乳の乳清ADAでも非乳房炎牛が13.5±1.7 IU/ℓ,潜在性乳房炎牛が23.0±5.1 IU/ℓで,潜在性乳房炎牛が非乳房炎牛に対して有意(p<0.05)な高値を示した.分娩前後の末梢血リンパ球幼若化能は,非乳房炎牛では分娩時に低下する傾向がみられたが,潜在性乳房炎牛ではそのような傾向は認められず,分娩時にも高い反応性を示した.初乳中リンパ球幼若化能は,いずれのマイトージェンで刺激した場合も,潜在性乳房炎牛が非乳房炎牛に対して著しい高値を示した.PHAによる刺激指数がきわめて高値を示した個体では初乳中ADA活性も高値を示した.以上のことから,潜在性乳房炎を伴う初乳中のADA活性は炎症反応により活性値が上昇するため,乳房炎診断を同時に行う必要性が考えられた.リンパ球幼若化能とADA活性値の明らかな相関は見出せなかったが,初乳中のADA活性値は乳汁中のリンパ球,とくにCD4T細胞機能を反映することが推測され,簡便なリンパ球系細胞の免疫能評価に応用できる可能性が示唆された.
feedback
Top