無洗米(水稲品種:コシヒカリおよびヒノヒカリ)についてその表面構造,成分含有量と嗜好性を検討した.その結果,いずれの品種にも共通していたことは,
(1) 精白米は,無洗米処理により糠が剥離し表面構造に変化がみられ,灰分,Cuを除く無機質(特にMgおよびFe),ビタミンB1およびナイアシンで有意な損失がみられた.
(2) 無洗米飯は精白米飯に比べ,脂質およびMgが有意に低い値,Ca,NaおよびKが有意に高い値を示した.
(3) 無洗米飯は炊飯による成分変化がほとんど見られなかった.精白米飯は洗米操作によると考えられる灰分,無機質,水溶性ビタミン類の損失がみられた.
(4) 無洗米および無洗米飯は,精白米およびその飯に比べ,明度がやや高い値を示した.
(5) 官能評価の結果から,無洗米飯は精白米飯に比べ,外観の白さ,透明感,つやおよび色で評価が高くコシヒカリで有意差が見られた.
これらの結果より,無洗米飯は精白米飯に比べ,Ca,Na,K,Zn,Cu,水溶性ビタミンを多く含有し,嗜好面ではほとんど差がみられないことがわかった.
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