新生仔期早期の中枢dopamine (DA)神経損傷後の代償機構を検索する目的で,新生仔期に6-hydroxydopamine (6-OHDA)を脳室内に投与したラットに対して6R-5, 6, 7, 8-tetrahydro-L-biopterin (6R-BH4)は脳室内投与,naloxone (NX)は皮下投与を行い,その行動と脳内モノアミン代謝回転に及ぼす影響について検討した。その結果,新生仔期6-OHDA投与により誘発された種々行動は6R-BH4およびNX投与により有意に抑制され,5-HT代謝回転は有意に増加した。従って6R-BH4およびNXによる行動抑制には5-HT代謝回転の亢進が関与している可能性があり,新生仔期DA神経損傷後はDA神経と5-HT神経の相互作用に加えてopioid peotide神経が関与している可能性が示唆された。
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