鉄一ニッケル合金よりなる,
シャドーマスク
とリードフレーム用のエッチャントである塩化鉄 (III) の電解再生について研究した.全鉄分, Fe
2+及びNi
2+が濃縮したエッチャントを連続的に電解槽に送入し, カソードにFeとNiを析出させ, エッチャントの一部を吸収塔へと導き, そこでアノードで発生した塩素によってエッチャント中のFe
2+をFe
3+に酸化させた.
マスバランス式によって決定した速度で, エッチャントを送入すれば定常状態が保たれることが知られた.低濃度電解液では, 析出物中のニッケル含量は低い (11%) が, 電流効率 (90%) は高かった.一方高濃度液では, 析出物中のニッケル含量は高い (33%) が, 電流効率 (40%) は低かった.塩素はFe
2+をFe
3+に酸化するのに完全に消費された.
以上の結果より, クローズドシステムによる簡易な連続電解でエッチャントの再生と貴重なニッケルの回収を実現できることが示された.
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