同じ大きさの2つの円筒の軸を,水平かつ平行にして同じ高さに保持し,これを互いに反対方向内向きに回転させる.この円筒の上に棒をのせると,棒は長さの方向に単振動し,その周期の理論値はT=2π√L/μgとなる.ただし,μは動摩擦係数,gは重力の加速度,2Lは円筒の中心間距離である.これは興味ある単振動の例として,大学入試ではときどき出題されている.本稿ではこの運動の現象と理論との関係を実験にもとずいて考察した.その結果,理論値と実験値がよく一致したので報告する.この実験は手近かな機器を用いて手軽に実施できるうえに,多少の意外性もあるためか,高校生には好評である.「単振動」のまとめや発展学習として,ぜひ演示実験していただきたいと考えている.
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