作業者が多くの部品を取付ける
セル生産方式
では, 作業手順を記憶するまでの期間が長いので, 効率的な作業指導が求められている. 本研究は, 現状の文書やOJTによる作業指導の代替案の一つとして作業指導にパソコンを用いる場合に必要な動画の利用に関する基礎的な知見を得ることを目的としている.
モニタ上に提示される動画から作業情報を取得して, 簡単な部品を取付ける作業を被験者に課した. 動画の再生速度 (4通り) と1回の再生で被験者へ提示する部品数 (5通り) を変動要因とし, 12名の被験者に対して実験を行った. 分析の結果, 動画の利用に関して以下のような知見が得られた.
(1) 再生速度が遅く, 提示する部品数の少ない動画の場合, 未記憶作業に関する作業情報を正確に取得できる.
(2) 再生速度によらず, 提示する部品数の多い動画の場合, 作業情報を正確に記憶でき, 作業情報を取得しないで作業しても作業ミスの発生が少ない.
(3) 再生速度によらず, 提示する部品数の多い動画の場合, 少ない生産量で作業情報の記憶が完了する.
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