トナーの摩擦帯電能を帯電量測定装置によらない絶対値的な値として評価する方法として,共通の座標付けがなされたキャリア群の摩擦帯電列を用い,その摩擦帯電列上でトナーの帯電量がゼロとなる位置 (ゼロ·ポイント·
チャージ
) を求め,その座標値で規定するという方法がある.但しこの方法の場合,トナーの帯電量にキャリアとの摩擦帯電以外の値が加減されると,ゼロ·ポイント·
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位置の値は正しい値ではなくなってしまう.そこで今回,日本画像学会の標準キャリアを用い,各装置のゼロ·ポイント·
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位置の確からしさを検証する方法について検討を行った.具体的には,摩擦帯電条件は異なるがゼロ·ポイント·
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位置が同じとなる帯電特性の線をいくつか測定し,それらの線のゼロ·ポイント·
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位置の収束度合いと各線の組み合わせから得られる交点の収束度合いを検証した.
その結果,ゼロ·ポイント·
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位置が同等に見えても,交点の収束度合いで見ると確からしさには違いがあることが分かった.また今回の検証方法は,各装置個別に検証が可能で,且つ他装置との数値比較ができることから標準化できる検証方法であることも分かった.
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