高レベル放射性廃棄物地層処分の安全評価においては, 核種移行計算に用いる概念モデルおよび入力パラメータ値の不確実性が計算結果に及ぼす影響を定量的に評価することが重要な課題の1つとなっている. 本研究では, 最尤推定法を用いた逆解析プログラムを作成するとともに, スウェーデン Äspö 島の地下研究所 Hard Rock Laboratory (以下, HRLという) 内の単一割れ目内で実施された非収着性および収着性トレーサを用いた原位置トレーサ試験結果から得られる核種移行パラメータの不確実性を評価した. その結果, 原位置トレーサ試験より得られるパラメータ値の不確実性は, 濃度破過曲線観測値のばらつきに起因した不確実性よりも, 試験結果の評価に用いるモデルに起因した不確実性の方が大きいことが明らかとなった.
抄録全体を表示