【緒言】
バスケットボールの
ディフェンス
で戦術のひとつにボール運びのオフェンスに対して簡単に前進させない方法がある。ルールの中にはオフェンスの攻める時間に制限があり、オフェンスのバックコートからフロントコートへの到達を遅らせるとオフェンス時間が短くなり、
ディフェンス
の有利な状況になる。オフェンスにフロントコートへの到達時間を遅らせることは戦術的に有効であり、指導現場でもそれを求める指導者は多い。本研究ではボール運びの場面での良い
ディフェンス
にはどのような要因が関係しているのかについてバイオメカニクス的手法を用いて検討することを目的とした。
【方法】
バスケットボールのフロントコートへのボール運びの場面設定で、オフェンスと
ディフェンス
のドリブル1対1をさせた。試技範囲は横幅3.8m、縦幅6mに設定した。オフェンス課題はスタート地点から4秒以内にゴールエリアに到達すること、
ディフェンス
課題はオフェンス課題を阻止することとした。オフェンスの到達所要時間は光電管(Brower Timing Systems, Sports Unity社製)を用いて計測した。光学式三次元モーションキャプチャシステム(Mac3D System, Motion Analysis社製)を用いて試技を記録し、動作解析システム(Frame-DIAS6,DKH社製)を用い身体合成重心を算出した。
ディフェンス
の成功と失敗の各動作を分析し、
ディフェンス
の優劣とその要因について検討した。
【結果】
ディフェンス
の失敗試技よりも成功試技の方がオフェンスのゴールエリア到達時間が延長した。
ディフェンス
の成功試技はオフェンスの主な移動方面である横方面と前方面への速度が大きかった。
ディフェンス
の優劣に関係する要因としてオフェンスの進行方向への
ディフェンス
の速度が大きく関係していると推察する。
抄録全体を表示