目的:尿中乱用薬物分析キットであるINSTANT-VIEWTM M-I(INSTANT-VIEW)を使用する機会を得たので,従来から多くの救急施設で使用されているトライエージDOA(トライエージ)との比較検討を行った。対象:当センターに搬入された831例のうちトライエージを施行し,かつ陽性であった92例の中で検体が保存されていた29例を対象とした。方法:INSTANT-VIEWとトライエージとの仕様比較,および互換性について,さらにカルテから服用したと思われる薬物を抽出し,薬物分析結果と比較検討した。結果:仕様比較について,検出薬物,検出感度,使用方法,判定方法などそれぞれに違いを認めた。また,対象患者29例の検体を用いてINSTANT-VIEWを施行した結果,トライエージと一致したものが19例であり,不一致のものが10例であった。結論:INSTANT-VIEWは,従来より用いられているトライエージと同様,薬物中毒や原因不明の意識障害の原因検索に有用なスクリーニングキットである。
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