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クエリ検索: "ヒト絨毛性ゴナドトロピン"
263件中 1-20の結果を表示しています
  • 赤井 靖宏, 藤本 眞一, 坂口 泰弘, 紀川 伊敏, 橋本 俊雄, 土肥 和紘, 石川 兵衞
    日本内科学会雑誌
    1994年 83 巻 5 号 820-821
    発行日: 1994/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は, 46歳,男性.胸部X線像では右上肺野に腫瘤陰影が認められ,血中hCG値は648mIU/mlの異常高値を示した.細胞診所見から肺扁平上皮癌と診断し,右上葉切除術を施行した.術後に血中hCG値は4.4mIU/mlへ著明に低下した.免疫組織化学的検索では,一部の腫瘍細胞がhCG染色陽性を示した. hCG産生肺癌は大多数が大細胞癌・腺癌とされており,扁平上皮癌が原因であった本例は貴重な1例と考えられる.
  • 広井 正彦, 川越 慎之助, 斉藤 英和, 坪田 宣之, 斉藤 伸行, 窪田 信幸
    日本内分泌学会雑誌
    1985年 61 巻 10 号 1182-1188
    発行日: 1985/10/20
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    A rapid, simple and sensitive immunochemical assay of pregnanediol 3-glucuronide (Pd-3G) in urine was established. The standard error range of the recovery test was within 0.8 μg/ml, and the coefficient variation of the within run and day to day precision tests were within 4%. Cross reactivity of various steroids exhibited less than 4%. A significant rise of Pd-3G (mg) /creatinine (g) coincided with the LH surge and continued during the luteal phase in the ovulatory menstrual cycle. In an anovulatory cycle, Pd-3G was found to be under 4 mg/g. This Pd-3G direct assay method could be widely used for assessing ovulation and luteal function.
  • 奥平 吉雄, 浜中 信明, 上田 外幸, 早川 謙一, 吉馴 茂子, 谷沢 修, 倉智 敬一, 須川 佶
    産婦人科の進歩
    1972年 24 巻 1 号 14-26
    発行日: 1972/01/01
    公開日: 2011/10/11
    ジャーナル フリー
    HCGの分泌形態を知る目的でヒト妊娠初期絨毛組織を用い酵素(peroxidase)標識抗体法を応用して光学顕微鏡ならびに電子顕微鏡により観察した.
    その結果酵素反応による反応産生物はsyncytium細胞の粗面小胞体上のribosome, 小胞体腔内, Golgi膜, apical vacuole内に認められた. 一方Langhans細胞内にはこのような反応産生物は認められず, このことはHCGがexportable proteinとしてsyncytium細胞で合成, 分泌されることを強く示唆する所見である.
  • 竹川 宏典, 長内 忍, 稲葉 秀一, 永井 達夫, 吉川 隆志, 寺井 継男, 石丸 修, 山口 潤
    日本胸部疾患学会雑誌
    1988年 26 巻 5 号 541-544
    発行日: 1988/05/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    症例は37歳, 女性. 咳嗽, 喀痰, 左頚部リンパ節腫脹にて来院. 胸部X線上左前縦隔に直径5cmの腫瘤陰影, 左側胸水を認めた. 左頚部リンパ節, 左側胸水から悪性細胞が検出された. 入院2ヵ月後癌性心膜炎による心タンポナーデにより死亡した. 病理解剖で大動脈と左主気管支の間に充実性の腫瘍を認めた. 光顕像で未分化癌を示し, 一部角化を伴う扁平上皮癌成分も認めた. 電顕像では, デスモゾームが認められる扁平上皮細胞と, 神経内分泌顆粒を伴うAPUD細胞が認められた. よってこの腫瘍は扁平上皮癌と胸腺カルチノイドの2つの系統の腫瘍の性格をあわせもつ悪性腫瘍といえる. 以上の所見から胸腺癌, Snover らのいう mixed small cell undifferenciated squamous cell carcinoma と考えられた. この腫瘍の存在は, 胸腺カルチノイドは胸腺扁平上皮癌の発生母体である内胚葉性の胸腺未熟上皮から発生するとの説を示唆する.
  • 西本 弘之, 丸尾 猛, 足高 善彦, 東條 伸平
    産婦人科の進歩
    1981年 33 巻 2 号 129-138
    発行日: 1981/03/01
    公開日: 2011/10/11
    ジャーナル フリー
    絨毛組織から分泌されるゴナドトロピンには, LH的性格を持つ絨毛性ゴナドトロピン(hCG)と, FSH的性格を持つ絨毛性卵胞刺激ホルモン(hCFSH)がある. hCGはc-AMPをmediatorとしてsteroidogenesisを促すことが判明しているが, hCFSHの作用機序については不明である. そこでこの2種のゴナドトロピンの生物学的作用の相違をin vitroの実験モデルを用いてあきらかにするため, ブタ顆粒膜細胞における両ホルモンの結合能とsteroidogenesisにおよぼす影響を比較検討し, さらに細胞内c-AMPとにc-AMP dependent protein kinaseおよぼす影響についても検討した. その結果, hCGとhCFSHはブタ顆粒膜細胞内にそれぞれ相異なる結合部位を有するが, 顆粒膜細胞の黄体化とともにhCFSHの結合能は急激に減少し, hCGの結合能のみが維持されることを認めた. さらにhCFSHはhCGと同様に, c-AMP系を介してprotein kinaseを活性化させホルモン作用を発現することが明らかとなったが, hCGの主たる作用はsteroidogenesisであるのに対して, hCFSHの主たる作用はfolliculogenesisであった.
  • 山地 建二, 高木 哲, 谷沢 修
    臨床化学
    1979年 8 巻 2 号 143-150
    発行日: 1979/10/25
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
  • 田中 浩一, 萩原 優, 兼子 聡, 斉藤 司, 森 雅樹, 加藤 治文
    肺癌
    2006年 46 巻 7 号 817-821
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/02/05
    ジャーナル オープンアクセス
    背景.絨毛癌成分を含む肺原発多形癌は非常に稀であり,早期に転移・再発を来す高悪性度腫瘍と推測される.症例.39歳女性.貧血症状を主訴に来院し,出血性十二指腸腫瘍と右肺下葉の充実性腫瘍が発見された.生検によって両病巣から類似した低分化型腫瘍細胞が採取され,肺癌の十二指腸転移と診断した.十二指腸腫瘍と肺腫瘍の両方に対して外科的切除を行った.切除標本病理検査にて,絨毛癌,巨細胞癌,大細胞癌などの成分を含むheterogeneousな組織像がみられ,その大部分で
    ヒト絨毛性ゴナドトロピン
    (hCG)陽性であった.病理組織学的に「絨毛癌成分を含む多形癌・pleomorphic carcinoma with choriocarcinomatous differentiation」病理病期T2N0M1 stage IVと診断した.結論.十二指腸転移巣の出血を契機に発見された,稀な絨毛癌様成分を含むhCG産生肺原発多形癌を経験した.外科的切除の有効性は未確定であるが,有益な治療法の一つとなりうる可能性がある.
  • 佐藤 健二, 新見 正則, 大村 伸一郎
    日本病院総合診療医学会雑誌
    2021年 17 巻 2 号 244-246
    発行日: 2021/03/31
    公開日: 2024/01/12
    ジャーナル フリー
  • 玉野 稔博, 品川 孝, 飯野 康夫, 宇梶 晴康, 一戸 彰, 越後貫 聖, 原田 尚
    日本消化器病学会雑誌
    1994年 91 巻 12 号 2269-2273
    発行日: 1994年
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
  • 山本 純子, 山野 繁, 中谷 公彦, 赤井 靖宏, 椎木 英夫, 橋本 俊雄
    日本老年医学会雑誌
    2002年 39 巻 5 号 554-557
    発行日: 2002/09/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    症例は, 74歳の男性. 平成9年1月に心窩部不快感を自覚した. 近医で胃潰瘍と診断され, 薬物加療されていた. 平成11年7月から食思不振を自覚し, 10月上旬からは食後に心窩部不快感が出現した. 近医での腹部エコー検査で, 膵頭部と肝門部のリンパ節腫大を指摘され, 当科に紹介された. 上腹部正中に弾性軟, 圧痛のない, 手拳大の腫瘤を触知し, 両側に女性化乳房を認めた. 胃内視鏡検査では, 胃体中部後壁に Borrmann 3型胃癌が認められ, 病理組織診断は中分化型管状腺癌であった. 腹部造影CTでは, 肝門部, 肝十二指腸間膜部, 胃および膵周囲, 脾門部, 大動脈周囲などに大小不同のリンパ節腫大, 肝S4領域に転移を示唆する不整の結節像が認められた. また, 血中hCG, 尿中hCG, およびF-βhCGの著明な上昇が認められた. 骨盤CT所見で腹膜播種が認められたことから, 手術適応がないと診断した. いったん退院したが, 腹水貯留が高度となり, 平成12年1月4日に再入院した. 入院後も腹水貯留は軽快せず, 再入院第7病日に死亡した. 剖検の承諾は得られなかった.
  • free βhCGにかわる精巣腫瘍の標準マーカーとしての可能性
    滝沢 明利, 三浦 猛, 岸田 健, 藤浪 潔, 長田 裕, 服部 裕介, 齋藤 和男, 野口 和美, 窪田 吉信
    日本泌尿器科学会雑誌
    2007年 98 巻 1 号 23-29
    発行日: 2007/01/20
    公開日: 2010/07/23
    ジャーナル フリー
    (目的) 本邦における精巣腫瘍の
    ヒト絨毛性ゴナドトロピン
    (以下hCG) 標準マーカーはフリーβhCG (以下fβhCG) であるが, hCG関連アッセイはトータルhCG (以下thCG) とインタクトhCG (以下ihCG) もあわせて3種類存在する. われわれは精巣腫瘍管理におけるthCGの有用性について検討を行った.
    (対象と方法) 2004年10月より2006年3月までに診断/治療を行った胚細胞腫瘍患者21例 (セミノーマ [以下SGCTs] 8例, 非セミノーマ [以下NSGCTs] 13例) について, 血清ihCG, ihCGおよびfβhCGを同時測定し検討を行った.
    (結果) SGCTsではfβhCGと他のアッセイ間では相関はなかったが, NSGCTsではいずれのアッセイも強く相関した. 診断時感度は, SGCTsではthCG, NSGCTsではthCGとihCGが高かった. 診断時3アッセイとも陽性であった症例ではfβhCGがthCGおよびihCGより約1ヵ月先に陰性化した. また再発・治療抵抗例の4例中3例でfβhCGに先行してthCGとihCGが上昇した.
    (結論) 今回の検討により, thCGは組織型を問わず診断に有用であるうえ, fβhCGよりも測定値が高いため, βhCG陰性化後も病状把握が可能であり繊細な管理に適することがわかった. われわれは, NSGCTsにおいてthCGはfβhCGに替わる標準アッセイになると考えており, SGCTsにおいても有用性が高いと考える.
  • 長田 博光, 横尾 直樹, 北角 泰人, 梁 純明, 吉田 隆浩, 北村 好史, 塩田 哲也, 岡本 清尚
    日本消化器外科学会雑誌
    2005年 38 巻 11 号 1716-1721
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    症例は65歳の女性で, 左頸部腫瘤を主訴に近医より紹介受診した. 局所麻酔下左頸部リンパ節生検にて, 抗human chorionic gonadotropin (以下, HCG) 抗体染色陽性を示す腺癌細胞が証明された. 原発病巣の検索を行ったところ, 上部消化管内視鏡検査や腹部CTなどにより, 頸部・腹部大動脈周囲リンパ節転移を伴った噴門直下のHCG産生胃癌と診断した. tegafur・gi-meracil・oteracil potassium配合カプセル剤 (以下, TS-1) を用いた化学療法を2コース施行した. その結果, 腫瘍マーカーの正常化と, 画像上リンパ節腫脹消失を認めたため, 根治を目的に胃全摘術, 脾臓摘出術, D2郭清を施行した. その病理組織検査からもHCG産生胃癌と診断されたが, 大動脈周囲リンパ節など多数のリンパ節には転移の残存を認めた. 術後19日目より左頸部リンパ節再腫脹を含めた遠隔転移の急速増悪を認め, TS-1再投与するも効果が認められず, 術後102日目に永眠された.
  • 高橋 秀彦, 大石 和徳, 真崎 宏則, 麻生 憲史, 峰松 俊夫, 南嶋 洋一, 永武 毅
    感染症学雑誌
    1999年 73 巻 4 号 351-355
    発行日: 1999/04/20
    公開日: 2011/02/07
    ジャーナル フリー
    Cutaneous Kaposi's sarcoma (KS) is a well-known complication of theacquired immunodeficiency syndrome. KS in the internal organs, however, is rare inJapan. We present here a 33-years-old Japanese homosexual man who had AIDS complicated with cytomegalovirus (CMV) infec tion and KS. He was found to be HIV-seropositive, when he was 31-years-old. He visited our hospital in June 1996 because of high fever. The peripheral blood CD4+lymphocyte counts were 2 per cubic millimeter, and CMV antigenemia was noted (p65 antigen positive cells; 240/50, 000 white blood cells). Thereafter he was successfully treated with parental ganciclovir. On admission, some browncolored flat nodules were found on the skin, and the diagnosis of KS was made by skin biopsy. We administrated human chorionic gonadotropin (hCG) for the treatment ofKS, but had no clinical response. In September 1996, he complained of severe cough, shortnessof breath, and vomiting. A chest radiogram showed nodular lesions and pleural effusion in bilateral lungs. A computed tomography of his chest also revealed nodular and linear densities distributed along the bronchovascular bundles. The ultrasonic examination of his abdomen revealed a duodenalnodule . Both nodules in the lungs and duodenum were proved to be KS based on the autopsy findings. Intranuclear inclusionbodies pathognomonic for CMV infections were detected in the stomach and the colon.
  • 萬代 幸子, 岩瀬 正典, 向井 直子, 中村 宇大, 市川 晃治郎, 飯田 三雄
    糖尿病
    2003年 46 巻 6 号 447-453
    発行日: 2003/06/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は33歳女性. 15歳時発症のMODYで, インスリン療法を行っていたが, 経過中数年間の放置歴がある. HbA1c6.8%, 正常アルブミン尿, 正常血圧で妊娠成立したが, 妊娠10週で頻回の嘔吐のため経口摂取不能となり, 入院となった. 重症妊娠悪阻と診断し, 中心静脈栄養を行った. 甲状腺中毒症状や甲状腺腫は認めなかったが, 遊離T4 1.9ng/dl, 遊離T3 4.5pg/ml, TSH<0.03U/mlと甲状腺機能亢進症を認めた. TSHレセプター抗体や甲状腺自己抗体は陰性であったが, 血中hCGが147, 600mU/mlで血中hCG上昇による甲状腺機能亢進症と診断した. 甲状腺機能は血中hCGの低下に伴い正常化し, 自覚症状も改善し, 経口摂取が可能となり, 妊娠18週で退院したしかし, 妊娠中期以降, 妊娠中毒症を発症し, 妊娠31週で再入院となった. 入院安静にて血圧や蛋白尿は改善したが, 妊娠36週で胎児仮死のため緊急帝王切開を行った. 児には異常を認めなかった, 分娩後一過性に高血圧や網膜症が増悪し, アルブミン尿の正常化まで分娩後1年を要した. hCGは甲状腺刺激作用のため妊娠初期の一過性甲状腺機能九進症を惹起するとともに, 妊娠中毒症の発症に関係する可能性が示唆された.
  • *小林 純子, Trendell Jennifer E., 岩永 敏彦, Duncan W. Colin
    日本繁殖生物学会 講演要旨集
    2013年 106 巻 OR1-7
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/09/10
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】ヒト黄体の退行メカニズムは未だ不明な点が多い。我々はTumor growth factor β(TGFβ)superfamilyに属するActivin Aが,ヒト黄体の退行に関与することをこれまで報告してきた。本研究では,別のTGFβ superfamilyメンバーであるBone morphogenetic proteins(BMPs)のヒト黄体における発現動態と発現制御機構を明らかにすることを目的とした。【方法】英国エジンバラ大学にて同意のもと採取されたヒト黄体組織および体外受精のためにRoyal Infirmary of Edinburghに来院した患者より同意のもと提供された卵胞液を実験に用いた。黄体周期は,尿中黄体形成ホルモンの濃度を測定することにより同定した。一部の患者には,同意のもと黄体中期に
    ヒト絨毛性ゴナドトロピン
    (hCG)を5−8日間持続投与して初期妊娠を模倣し,黄体を採取した。黄体組織および分離培養した黄体化顆粒層細胞(LGCs)を用いて,real-time PCR法と免疫組織化学により遺伝子および蛋白質の発現変化を解析した。【結果】ヒト黄体ではBMP-2, -4, -6が発現しており,黄体後期で顕著に発現増強した。すべてのBMPsはLHCGRおよびStARの発現を顕著に抑制し,hCGはin vivoin vitroいずれにおいてもすべてのBMPsの発現を抑制した。これらの結果はBMPsがヒト黄体の退行に関与することを示唆する。LGCsを用いて,BMPsの発現に関与するシグナル伝達経路を調べたところ,PKA経路の活性化はBMP-2およびBMP-4の発現を抑制するが,BMP-6の発現を増強した。一方,PI3 kinase経路の活性化はBMP-6の発現を強く誘導し,BMP-2の発現にも関与することがわかった。PKC経路の活性化はBMP-2の発現を著しく増強したが,BMP-4とBMP-6は発現が抑制された。本研究により,各BMPは異なったシグナル伝達経路により発現制御をうけることが明らかとなった。
  • 服部 裕介, 滝沢 明利, 岸田 健, 藤川 直也, 寺西 淳一, 近藤 慶一, 齋藤 和男, 野口 和美
    日本泌尿器科学会雑誌
    2006年 97 巻 6 号 804-808
    発行日: 2006/09/20
    公開日: 2010/07/23
    ジャーナル フリー
    32歳男性. 主訴は左陰嚢腫大. 血清hCGβ, LDHの上昇を認めた. CTで傍大動脈領域に小さなリンパ節腫大を認めた. 左高位精巣摘除術施行し, 病理組織診断はセミノーマであった. 臨床病期IIAと診断し, 術後にシスプラチン, エトポシド, ブレオマイシンを用いた化学療法を2コース施行した. 化学療法前に認めたリンパ節と思われた小病変は不変で, 血管もしくは結合組織と考えられた.
    臨床的には完全緩解と考えられ, LDHは正常化したが, 血清hCGβは低値陽性のまま持続していた. 血清hCGは化学療法前後共に正常, 化学療法後の尿中hCGβは測定感度以下であった. 希釈液. に異好性阻害物質としてマウス血清を用いて, 本症例とコントロールの血清を2倍, 4倍に希釈して血清hCGβを測定した. コントロールの血清は希釈倍率に比例して測定値が低下したのに対して, 本症例の血清では急速な低下を示した. 化学療法後8ヵ月経過するが血清hCGβは低値陽性のまま上昇は認めず, 再発なく経過している. これらの結果から本症例の血清hCGβ上昇は偽陽性と考えられ, その鑑別に尿中hCGβの測定と異好性阻害物質による希釈測定が有用であった.
  • *小林 純子, 岩永 敏彦, DUNCAN Colin W.
    日本繁殖生物学会 講演要旨集
    2016年 109 巻 OR2-35
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/09/16
    会議録・要旨集 フリー

    【目的】黄体は妊娠の成立と維持に必須なプロゲステロンを産生するが,妊娠が成立しない場合,黄体は速やかに退行する。ウシやマウスでは,子宮より産生されるプロスタグランジンF(PGF)が黄体の退行開始に重要な役割を果たすが,子宮からのPGFはヒト黄体の退行に関与しない。ヒト黄体では,黄体細胞自身が産生する因子(TGFßスーパーファミリー蛋白)が黄体退行作用をもつが,黄体内におけるプロスタグランジンの作用は不明である。本研究では,ヒト黄体で産生されるプロスタグランジンの働きを検討した。【方法】英国エジンバラ大学にて患者の同意のもと採取した黄体周期を通じたヒト黄体組織および体外受精治療のためにエジンバラ大学もしくは北海道大学病院に来院した患者より提供された卵胞液を実験に用いた。黄体組織および分離培養した黄体化顆粒層細胞(LGCs)を用いて,リアルタイムPCR法と免疫組織化学により,遺伝子および蛋白質の発現を解析した。【結果】プロスタグランジンE(PGE)産生酵素(PTGES)は中期黄体で強く発現するが,PGF産生酵素(AKR1B1AKR1C1−3)は後期および退行期黄体で発現が増強した。PGEは,

    ヒト絨毛性ゴナドトロピン
    (hCG)と同様に,黄体細胞におけるステロイドおよびPGE産生を刺激し,黄体退行因子の発現を抑制した。一方,PGFは顕著な作用を示さなかった。PTGESは顆粒層黄体細胞の細胞質に発現し,黄体組織におけるPTGESの発現はプロゲステロン合成酵素(HSD3B1)の発現と正の相関関係にあった。一方,PGF産生酵素であるAKR1C3は,PTGESおよびHSD3B1の発現と負の相関関係にあった。LGCsにおけるPTGESの発現は培養日数とともに減少するが,AKR1C3の発現は増加した。【考察】ヒトでは,黄体の退行に伴いPGE/PGF産生のバランスが変化することが明らかとなった。ヒト黄体の退行には,PGFの作用よりもPGE産生の低下がより重要であると考えられる。

  • 齊藤 英和
    心身医学
    2003年 43 巻 1 号 54-
    発行日: 2003/01/01
    公開日: 2017/08/01
    ジャーナル フリー
  • *東阪 和馬, 北原 剛, 仲本 有里菜, 山本 怜奈, 坂橋 優治, 辻野 博文, 芳賀 優弥, 堤 康央
    日本毒性学会学術年会
    2023年 50.1 巻 P2-196
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/03/08
    会議録・要旨集 フリー

    【目的】近年、化学物質曝露による有害妊娠転帰と胎盤機能障害との連関が示唆されつつある。しかし、化学物質曝露に起因する生殖発生毒性について、胎盤機能の観点から評価した研究は未だ乏しい。胎盤は妊娠の成立・維持に重要な役割を果たすことから、胎盤での毒性発現が有害妊娠転帰につながるリスクは十分に存在する。従って、胎児に対する毒性評価のみならず、胎盤機能にも着目した、化学物質の生殖発生毒性評価が重要である。そこで本研究では、妊娠期の使用による妊娠転帰悪化リスクが大きいバルプロ酸をモデル化学物質として選択し、バルプロ酸が胎盤機能へおよぼす影響評価を試みた。【方法・結果・考察】ヒト絨毛癌細胞株(BeWo)にforskolinを処置することで合胞体栄養膜細胞へ分化させた後、バルプロ酸を72時間作用させた。その後、妊娠維持に寄与する胎盤ホルモンである、

    ヒト絨毛性ゴナドトロピン
    β(遺伝子名CGB)の発現量をreal time RT-PCRにより解析した。その結果、forskolin処置群と比較して、バルプロ酸添加によりCGBの有意な発現上昇が示された。また、胎児の発育に必須であるグルコース輸送能に着目し、BeWoにおけるグルコースの細胞内取り込みを評価したところ、forskolin処置により認められたグルコースの細胞内取り込み量の増加が、バルプロ酸添加により抑制されることが明らかとなった。さらに、バルプロ酸処置後のBeWoにおける遺伝子発現変動をRNA-Seqにより網羅的に解析し、得られた変動遺伝子に対してPathway解析を実施したところ、HIF-1 transcriptional activity in hypoxia pathwayを見出した。そこで現在、バルプロ酸による胎盤機能低下の機序を明らかとするため、BeWoにおけるHIF-1活性と胎盤機能低下との連関を追究している。

  • *久米 紘一, 水上 寛健, 永岡 謙太郎, 田谷 一善, 渡辺 元
    日本繁殖生物学会 講演要旨集
    2014年 107 巻 OR2-16
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/08/20
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】hCGはLH様作用があるため,hCG投与後のテストステロン(T)産生を指標とした精巣機能検査に用いられる。馬・山羊・ハムスターなどにおいてhCG投与後の血中T濃度は投与数時間後をピークとした1回目の上昇と,投与数日後をピークとした2回目の上昇が認められるが,そのメカニズムは不明である。本研究はhCG投与後の血中T濃度の二峰性上昇メカニズムの解明を目的とし,ハムスターを用い各種血中ホルモン濃度の測定と精巣内遺伝子発現解析を行った。【方法】雄ハムスターに対しhCGを腹腔内投与を行い投与前,投与5,24時間後,3,5,7日後の血液,精巣,精巣上体および精嚢腺の採取を行った。精巣上体と精嚢腺については体重あたりの重量比を算出した。血中ホルモン動態はRIA法を用いLHおよびT濃度の測定を行った。また,投与したhCGの残存時間を確認するため同様にRIA法を用い血中hCG濃度の測定を行った。精巣サンプルからRNAの抽出を行いreal-time PCR法を用いてLH受容体(LHR),P450scc,3β-HSDおよび17β-HSDの発現変化を調べた。【結果】精巣上体および精嚢腺の重量はhCG投与5日後に高い値が見られた。血中hCG濃度は投与後5時間をピークとし,その後3日以内に検出限界以下となった。血中T濃度はhCGと同様に投与5時間後に1回目のピークが認められ,投与5日後をピークとした2回目の上昇も観察された。血中LH濃度には大きな変化が認められなかった。hCG投与3日後の精巣においてLHR,3β-HSDおよび17β-HSD mRNAの発現上昇が認められ,P450scc mRNAは投与5時間後に上昇が認められた。【考察】hCG投与後に生じる1回目の血中T濃度上昇は,hCGによる直接的作用によるものと考えられる。hCGは3日以内に消失する事から,2回目の上昇はhCGの二次的な影響であると考えられ,3日後に生じる精巣内のLHR発現上昇の関与が示唆された。又,血中T濃度の上昇は2回目の方が高い値を示し,精巣上体および精嚢腺の重量も3日後以降に増加した事から,hCG投与の効果は主に2回目のT上昇に依存するものと考えられる。
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