世界が抱える諸問題をよりよく解決し持続可能な社会を構築していくためには,最適解を導き出そうとする姿勢が大切であり, SDGsの17項目はトレードオフの視点となりうるものである.「持続可能な社会」というキーワードは現行の中学校指導要領の総説にも位置付けられ,SDGsは教育活動全体の基盤となりうるものである.本実践では,SDGsを中核に据えた教育活動を展開することにより,生徒が生活や社会の問題に関心を高め,多角的に考察しながら最適解を求めていくための資質・能力をよりよく育むことを目指した.その実践の成果と課題を報告する.総合的な学習の時間を中心として展開し,生徒の問題意識や関心の変容を調べた.実践を通して,生徒の生活や社会の諸問題への関心や解決に向けて行動を起こそうとする意欲の向上に一定の成果が得られた.一方で,生徒の関心には大きな偏りがあり,技術の発展に向けた視点を育むことに課題が残った.
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