X線を発生するターゲットが高真空中で回転する回転陽極型X線管には,鉛・銀などの固体潤滑剤をコーティングした玉軸受が用いられるが,潤滑性能が不安定,高負荷時の高速化に限界があるなどの難点があった.さらに,
ヘリカルスキャン方式
のX線CT装置では,大きな遠心力に耐え得る高負荷容量の軸受が要求される.また,CT装置による診断では,被爆量低減,撮影の高速化が課題となっている.本開発のX線管は,液体金属を潤滑剤とした流体潤滑軸受を用い,玉軸受の課題を克服し,高速CT装置の要求を十分に満たす性能を実現した.
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