陸上水槽で飼育した
マコガレイ
仔稚魚の消化管内餌生物数の日周変化を成長段階別に調査し, Elliott and Persson (1978) のモデルを用いて消化管内餌生物の瞬間排出率との関係から日間摂餌量を推定した。
平均全長7.5mmまでの遊泳期仔魚は日中の明期にのみ摂餌活動を行い, 消化管内餌生物数は夜明けから徐々に増加して日没薄明時に最大となった後, 夜間の暗期に減少する単峰型の日周変化を示した。着底間もない平均全長7.9mmの仔魚は遊泳期仔魚と同様に日没前後にピークになる単峰型の摂餌の日周変化を示したが, 夜間の暗期にも消化管内に餌生物がしばらくの問認められた。さらに, 平均全長17.4mmの着底稚魚は日没後に最大となる摂餌の日周変化を示したが, 消化管内の餌生物は昼夜にわたり連続的に認められた。遊泳期仔魚は日中の明期にのみ摂餌活動を行ったが, 着底以後の仔稚魚は夜間の暗期にも摂餌活動を行った。また, 日中着底していた仔稚魚は夜間の暗期に浮上し, 浮遊あるいは遊泳する行動の日周変化が観察された。
水温15℃前後における仔稚魚の日間摂餌量は成長にともない指数関数的に増加し, 日間摂餌量 (dry, mg) =0.006×TL
1.966 (mm) の関係式が導かれた。一方, 日間摂餌率は24.8~106.0%の範囲で変化し, 成長にともない低下した。冬季成育型である
マコガレイ
仔稚魚の日間摂餌率は春季成育型の仔稚魚と大差がなかった。しかし, 天然海域においては日照時間が短く低水温で餌となるプランクトンが少ないことから,
マコガレイ
仔稚魚の日間摂餌率は実験値よりはるかに低いと推察された。
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