頭頸部がんの化学療法と予後の関連を検討するために, がん病院頭頸部の共同研究として行われた二つのレジメンの比較試験の奏効率と生存率の関係を調べた. CDDP, Peplomycin, MTX群 (PPM) とCDDP, Bleomycin, MTX群 (PBM) の比較ではPPMの成績が優れていたが生存率では差は認められなかった. CDDP, Peplomycin, MTX群 (PPM) とCDDP, Peplomycin群 (PP) の比較でもPPMの奏効率は高かったが生存率は両者に差はなかった. CR例を除きPR, NC, PD例の生存率はほとんど同じであつた. 奏効率と生存率はCR例以外では関連が認められない. 一方, 群馬がんセンターで行われたIII期, IV期頭頸部がん根治治療後にフッ化ピリミヂン系の経口抗癌剤による補助化療と生存率の関係を見ると, 舌, 中咽頭, 上顎洞においては, 補助化療施行群の生存率は非施行率群の生存率より高かった. 下咽頭がんでは生存率の差はなく, 全身補助化学療法が必要と推測された.
抄録全体を表示