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クエリ検索: "ヤママユガ科"
232件中 1-20の結果を表示しています
  • *城本 啓子, 桜谷 保之
    日本生態学会大会講演要旨集
    2005年 ESJ52 巻 P3-102
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/03/17
    会議録・要旨集 フリー
     
    ヤママユガ科
    ガ類(Saturniidae)は日本に11種分布しており、幼虫は各種樹木の葉を食べ、昆虫の中では特に大型であり、生産者である広葉樹等に対する摂食、鳥類による捕食(被食)といった里山の食物連鎖においては重要な地位にあると考えられる。また、これらの幼虫は広食性の種が多く、里山で薪炭木として利用されているブナ科やニレ科、カバノキ科等の広葉樹の葉を食べるものが多い。ヤママユのように飼養されている種は各種飼料樹が報告されているが、野外における記録や、ヤママユ以外の種についての餌植物についての報告は多くない。そこで今回は各地で
    ヤママユガ科
    ガ類数種について、餌植物を中心に調査した。また、日本における
    ヤママユガ科
    ガ類の既知食樹記録の面から食性等について考察も行った。
     今回の調査で、東北、関東、近畿地方でイヌシデ(カバノキ科)を自然状態で利用している
    ヤママユガ科
    ガ類が5種確認された。これはコナラやクリをめぐる
    ヤママユガ科
    ガ類ギルドが6種であるのに次いで多く、カバノキ科を餌として利用する
    ヤママユガ科
    ガ類の種数はブナ科と同じ7種となった。両科は同じブナ目に属し、系統的に類縁関係があり、各種
    ヤママユガ科
    ガ類によく利用される餌植物であると思われる。一方、シンジュサンの餌植物26種の中で約46%は羽状複葉であり、形態的な特性によって餌植物の選択を行っている可能性も考えられる。鹿児島県奄美大島のヤママユはスダジイを餌植物としているのに対して、福島県福島市の河畔林ではイヌシデ・コナラを利用している等、各地域によって主として利用している餌植物種や餌植物に対する発生密度も異なることから、生息環境における餌植物と
    ヤママユガ科
    ガ類の種多様性の関係が示唆された。
  • *城本 啓子, 桜谷 保之
    日本生態学会大会講演要旨集
    2004年 ESJ51 巻 P2-109c
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/07/30
    会議録・要旨集 フリー
     奈良市郊外の近畿大学奈良キャンパスの矢田丘陵においては、コナラ、クヌギを中心とする里山環境にあり、これら広葉樹を餌植物とする
    ヤママユガ科
    ガ類(Saturniidae)が7種生息している。これら
    ヤママユガ科
    ガ類はすべて大型であり、1個体のバイオマス(生体重)量としては高く、食物連鎖ないしエネルギーの流れにおいて大きな役割を担っていると考えられる。本研究では、キャンパス内の里山環境における
    ヤママユガ科
    ガ類のバイオマスの季節的変化・特性を調べ、次の段階へエネルギーの移動として被食についても調査解析を行った。
     今回、室内飼育・摂食実験によりオナガミズアオ、ヤママユにおいてそれぞれに糞重と生体重間に正の相関が見られた。また、キャンパス内の二次林において2002年から2003年にかけて落下糞の回収を行った結果5月と7月に落下糞重のピークが見られた。
    ヤママユガ科
    ガ類に対する被食を調べるため、2003年9月に当キャンパスの外灯に飛来して捕食されたと考えられるヤママユの翅の回収を行った。その結果、最低125匹のヤママユ成虫の被食(主としてカラス類に)が推定され、約84%が雄の翅と推定された。
     これらの結果より当キャンパス内において
    ヤママユガ科
    ガ類を中心としたエネルギーの流れがある程度把握できた。今後の里山管理の上で、広葉樹という餌資源をめぐる
    ヤママユガ科
    ガ類を含めた生物多様性を保全するような管理、活用が必要であると考えられる。
  • 坪川 佳子, 久保田 貴志
    International Journal of Wild Silkmoth and Silk
    2023年 24 巻 47-51
    発行日: 2023/08/31
    公開日: 2024/08/31
    ジャーナル フリー
    エリサンとシンジュサンの交雑系統用の人工飼料について,飼料樹シンジュの生葉ペーストを用いた単純な組成の人工飼料を試作し,ゲル化剤として寒天とサイリウムを比較した。全齢を同一飼料で飼育した場合,サイリウム添加飼料の方が寒天添加飼料より各齢の飼育経過は延長し,繭重,繭層重は軽くなった。一方,1 ~ 4 齢期を寒天添加飼料,5 齢期をサイリウム添加飼料で飼育した場合,5 齢期経過は,寒天添加飼料と大きな差はなく,繭重,繭層重も差がないか,むしろ上回る傾向であった。このことから,1 ~ 4 齢期を寒天添加飼料,5 齢期をサイリウム添加飼料で飼育することが良いと考えられる。さらに,冬期間の代替飼料としてのクスノキ生葉と人工飼料を比較した結果,クスノキ生葉の方が繭重,繭層重が軽くなった。
  • 赤井 弘, 市川 真理恵, 上原 佳織, 長島 孝行, 檜山 佳子
    International Journal of Wild Silkmoth and Silk
    2014年 18 巻 65-75
    発行日: 2014/11/30
    公開日: 2023/04/20
    ジャーナル フリー

     繭糸の微細構造は多様で,特に繊度,多孔性,微細構造,セリシン量などに巾広い差が見られる。

    ヤママユガ科
    にのみ見られる多孔性繭糸においても,小孔の数,その大きさに大差が見られる。
    今回は,なぜ多孔性繭糸が生じるのか,その成因,内膜とリソソームとの関係,とくに繭糸内の空間率につい て観察と測定を行った。
     その結果,多孔性繭糸内の小孔は後部絹糸腺細胞内に生じたリソソーム由来であることを再度確認した。
    ヤママユガ科
    に属する後部絹糸腺細胞の表面にある内膜はカイコガやその他の科に較べ内膜の崩壊が著しく進行し,リソソームは容易に腺腔内へ移行することができる。しかし,
    ヤママユガ科
    以外の絹糸腺では内膜がなお残存しリソソームの通過は見られない。したがって,多孔性繭糸は
    ヤママユガ科
    にのみに存在し,その成因はリソソー ムと内膜の構造によるものである。
     
    ヤママユガ科
    の多孔性繭糸の空間率については,高いものでテンサン17.4%,クリキュラ22.5%,最も高い ものでアゲマ・ミトレイの26.7%であった。

  • 赤井 弘, 長島 孝行
    日本蚕糸学会 学術講演会 講演要旨集
    2002年 jsss72 巻
    発行日: 2002年
    公開日: 2004/02/03
    会議録・要旨集 フリー
    絹糸昆虫が吐糸する繭糸は、光顕及び電顕観察から多孔性繭糸と緻密性繭糸の両種が存在し、前者は昆虫の分類から
    ヤママユガ科
    のみ見られ、後者はそれ以外のすべての科に観察される。なぜ、多孔性繭糸が絹糸腺内で生成されるかについては、すでに学会誌(Akai et al., 1993, 1994)に報告した。その後、多孔性構造をさらに詳細に観察すると、種による構造的な差異のあることが判明し、新事実を得ることができたので報告する。試料として
    ヤママユガ科
    に属するタサールサン、ロスチャイルドヤママユガ、オオミズアオ、クリキュラ、などの繭層を供試した。それぞれの繭層断面を光顕および電顕で観察し、その外表面から内表面に至る繭糸断面内の多孔性構造の形状、分布密度などを観察した。その結果、ロスチャイルドヤママユガでは多孔性構造は外層部から中層部に多く、内層部は減少する傾向が見られた。その原因は、後部絹糸腺細胞内のライソソームの形成および放出時期、ならびに数量に起因するものと推測され、種によって多少の差異があるものと考察した。
  • *赤井 弘, 長島 孝行
    日本蚕糸学会 学術講演会 講演要旨集
    2003年 2003 巻 418
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/05/27
    会議録・要旨集 フリー
    シルクの多様化、差別化、付加価値の向上、などが今強く求められている。家蚕シルクの研究はこれまでに、その均一化、量産化を追求し、その目的を果たしたが、昨今の市場はシルクに個性を求めシルク新素材を要求している。演者らは、シルク新素材として
    ヤママユガ科
    のロスチャイルド、アゲマ、カレハガ科のゴノメタ、ボロセラ、ギョウレツケムシ科のアナフェ、ならびにシロチョウ科のスゴモリシロチョウの繭糸の微細構造の特性を明らかにし、素材としての利用価値を検討した。また、比較の対象として、カイコ、サクサン、ならびにタサールサンの繭糸構造についても詳細な観察を進めた。研究の手法としては、(1)電顕用の樹脂に包埋した繭層の小片を約0.7μmの薄い切片とし、染色した繭糸の横断面および縦断面を光学顕微鏡で観察し、(2)同様の繭層断面を走査電子顕微鏡で比較観察した。その結果、
    ヤママユガ科
    に属する繭糸はすべて多孔性であるが、種によっては繭層中に緻密性の部分が各所に混在した。繭糸断面の形態と断面積は家蚕糸に較べて大差があり、個性のある新素材が見出された。
  • *行弘 研司, 瀬筒 秀樹
    日本蚕糸学会 学術講演会 講演要旨集
    2003年 2003 巻 235
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/05/27
    会議録・要旨集 フリー
    1月9日現在、後生動物260種のミトコンドリア(mt)ゲノムの塩基配列の全長ないしほぼ全長が公開されている。しかし、ここには昆虫はわずか18種しか含まれず、そのほぼ半数が双翅目である。我々は双翅目以外の昆虫のmtゲノムの進化の理解をはかるため、鱗翅目カイコガ科のカイコ(Bombyx mori )とその祖先型と考えられるクワコ( B. mandarina )(日本産)のmtゲノム全塩基配列を決定し比較検討した。塩基レベルの変異に関しては次の結果が得られた:1)塩基置換にストランド特異的偏りがある。2)ゲノム領域によって塩基置換率が異なる。また、ゲノムの構造変異について次の点を確認した:3)両種間のA+T-rich領域で126-bp長断片の縦列反復数が異なった(日本産クワコ:3、カイコ:1)。4)両者のmtゲノムはA+T-rich領域以外に40bp長以上の介在配列を5ケ所共有するが、このうち4ケ所は内部にマイクロサテライト様配列を有し、反復単位の構造及びこの繰返し数に著しい変異が検出された。さらに鱗翅目
    ヤママユガ科
    6種ついても全長を決定したので報告する。
  • 城本 啓子, 櫻谷 保之
    蝶と蛾
    2007年 58 巻 2 号 215-237
    発行日: 2007/03/30
    公開日: 2017/08/10
    ジャーナル フリー
    1990年から2006年まで各地で野外調査を行った結果,19科44種の植物が8種の
    ヤママユガ科
    ガ類(シンジュサン,ヤママユ,ヒメヤママユ,クスサン,ウスタビガ,オナガミズアオ,オオミズアオ,エゾヨツメ)の餌植物として確認された.新たか餌植物として,カバノキ科のイヌシデでヤママユ,ヒメヤママユ,クスサン,ウスタビガ,エゾヨツメの幼虫が各地で確認され,ウバメガシではウスタビガとヒメヤママユの幼虫が確認された.また,ウスタビガではヤナギ科2種と植栽種であるハナミズキ,ヒメヤママユではネジキとオオバクロモジ,クロガネモチ,クマノミズキも餌植物として確認された.最も多くの
    ヤママユガ科
    分類が利用していた餌植物はイヌシデとコナラで5種(ヤママユ,ヒメヤママユ,クスサン,ウスタビガ,エゾヨツメ),統いてクリで4種(ヤママユ,ヒメヤママユ,クスサン,ウスタビガ)の利用があった.また,日本における
    ヤママユガ科ガ類の今回および既知食樹記録とヤママユガ科
    ガ類の系統の関係についても考察を行った.餌植物種によるクラスター解析では,地理的分布の狭い
    ヤママユガ科
    ガ類3種(ヨナグニサン,ハグルマヤママユ,クロウスタビガ)の距離は短くなった.すなわち分布の狭い種は餌植種が少なくなっており,分有の広いシンジュサンは餌植物の科によるクラスター解析では距離が一番長くなった.
    ヤママユガ科
    ガ類間の餌植物種の類似度(Ochiai指数:OI)は,同じ属であるヒメヤママユとクスサンの間ではやや高かったが(07=0.425),他の種との類似度はあまり高くないことが示された.また,シンジュサンの餌植物種(24種)の約38% (9種)が羽状複葉を利用しているなど,植物の葉の形態によって選択している種もあると考えられた.
    ヤママユガ科
    ガ類の餌植物種は生息環境の植生や,クスサンのような集団発生する種においては餌植物の枯渇により周囲の植物への移動などにより多様化していったと考えられる.ウスタビガやオオミズアオの雌成虫がライトに誘引された際に建物の壁などへの産卵する現象が見られた.このような誤産卵やイヌシデのような他の鱗翅目幼虫があまり利用していない"空きギルド"を利用することなどにより,
    ヤママユガ科ガ類の餌植物種数はヤママユガ科
    種間同士の重複をある程度避けながら広がっていったと考えられる.
  • 赤井 弘, 島村 春子, 檜山 佳子
    International Journal of Wild Silkmoth and Silk
    2015年 19 巻 50-58
    発行日: 2015/12/31
    公開日: 2023/03/31
    ジャーナル フリー

     クスサンの成長,営繭,繭糸の特性,などについて観察を行った。繭層は,数十本の繭糸が密着して構成された太い糸により網目状の繭が作られ,繭の一端は成虫が脱出できるように網目が崩れ通路となっている。幼虫が吐糸する繭糸は超太繊度であり,繭層切片の光顕観察から見ると多孔性と緻密性繭糸が混在し,その割合は後者が高い。多孔性繭糸のフィブロイン中には小型から中型の小孔が散在するが比較的少数である。
     クスサンの繭層は軽く,フィブロインの分泌量も少ないため後部絹糸腺の内膜の退化が

    ヤママユガ科
    の中では少し遅れているものと推察される。

  • 赤井 弘
    International Journal of Wild Silkmoth and Silk
    2013年 17 巻 111-124
    発行日: 2013/05/31
    公開日: 2023/06/15
    ジャーナル フリー

     絹糸昆虫の繭糸の微細構造と機能を究明するため,樹脂包埋試料の光顕および透過電顕による観察,さらに走査電顕による観察を進めた。

     最もよく知られたカイコの繭糸は小孔を含まない緻密性繭糸で,実用品種の繊度は3~3.5デニール(d),細 繊度で1.7~1.5dほどである。カイコでは,幼若ホルモン,脱皮ホルモン,抗幼若ホルモンの投与により繭の大 きさおよび繊度を大きく変えることができる。

     

    ヤママユガ科
    に属する絹糸昆虫の繭糸は多孔性繭糸で,そのフィブロイン中に多数の管状の小孔が見られ,これらは後部糸腺細胞のライソソームに由来することが明らかになった。

     カレハガ科,ギョウレツケムシ科,シロチョウ科,ミノガ科などに属する絹糸昆虫の繭糸には多孔性繭糸はなく,すべて緻密性繭糸であった。

     多孔性繭糸は光沢が強く,保温性および保湿性が高く,またUVカット率も高く,さらに制菌性が認められる。 多孔性繭糸によるシルク和紙のUV測定から,その和紙はUVカット機能が高く,また,多孔性繭糸のシルクパウ ダーのテストから,そのシルクパウダーに制菌性の存在が判明した。

     シルク商品として,多孔性シルクはその機能性,光沢,風合い,保温性,UVカット,ならびに制菌性,などか ら高く評価されよう。

  • 大和田 守
    やどりが
    1997年 1997 巻 170 号 24-
    発行日: 1997/06/20
    公開日: 2017/08/19
    ジャーナル フリー
  • 齊藤 準
    日本応用動物昆虫学会誌
    1993年 37 巻 3 号 163-167
    発行日: 1993/08/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    エリサン,シンジュサンおよびこれらの亜種間交雑種について25±1℃, 16L-8Dの光周条件下で産卵習性を調査した。
    1) エリサンの産卵の経時的変化は,交尾蛾では交尾後1日と2日の暗期に総産下卵数の約75%が集中的に産卵され,明期での産卵はほとんどみられなかった。一方,未交尾蛾では,羽化後3日から8日までの長期に渡り明暗両期間で産卵がみられた。
    2) エリサンおよびシンジュサンそれぞれの雌蛾1頭当りの卵塊数は,エリサンよりも,シンジュサンの方が約2.5倍多かった。
    3) エリサンおよびシンジュサンそれぞれの産卵習性は,エリサンで1卵塊当りの産下卵数が50卵以上にも及ぶ集中性の大卵塊を形成したのに対して,シンジュサンでは,1~10卵程度の比較的少ない産下卵からなる散在性の小卵塊を形成した。
    4) エリサンとシンジュサンの亜種間正逆交雑種(F1)におけるそれぞれの産卵習性を調べた。エリサン♀×シンジュサン♂のF1雌蛾は散在性の小卵塊を形成し,シンジュサン♀×エリサン♂のF1雌蛾は集中性の大卵塊を形成した。
  • 赤井 弘
    繊維学会誌
    2007年 63 巻 9 号 P_238-P_243
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/10/10
    ジャーナル フリー
  • ―高度な反復構造がもたらす多様性―
    行弘 研司, 瀬筒 秀樹
    蚕糸・昆虫バイオテック
    2009年 78 巻 1 号 1_17-1_26
    発行日: 2009年
    公開日: 2016/04/19
    ジャーナル フリー
  • 赤井 弘
    繊維機械学会誌
    2012年 65 巻 2 号 131-134
    発行日: 2012/02/25
    公開日: 2023/10/07
    ジャーナル フリー
  • 木村 史明
    橿原市昆虫館研究報告
    2022年 1 巻 28-31
    発行日: 2022/03/31
    公開日: 2022/09/29
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
  • 一田 昌利
    繊維学会誌
    2003年 59 巻 9 号 P_298-P_301
    発行日: 2003年
    公開日: 2005/02/01
    ジャーナル フリー
  • 赤井 弘, 長島 孝行
    日本シルク学会誌
    2003年 12 巻 92-93
    発行日: 2003/12/01
    公開日: 2013/02/16
    ジャーナル フリー
  • 鳴海 多恵子, 小林 正彦, 森 精
    日本蚕糸学雑誌
    1993年 62 巻 6 号 489-495
    発行日: 1993/12/27
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    野蚕糸の内部微細構造を明らかにする事を目的として, 12種の絹糸虫類の繭糸について走査電顕と透過電顕により観察を行った。その結果,
    ヤママユガ科
    ではすべての種において繭糸中にボイドが認められた。ボイドの形は横断面の観察ではほぼ楕円形であり, 縦断面の観察ではいずれのボイドも繊維軸方向にある程度の長さをもっていることが確認された。繊維の正横断面におけるボイドの大きさおよび長幅率はボイドが分布する繭糸断面上の位置により異なり, 中心部において双方共に大きい傾向がみられた。ボイドの大きさおよび数は種による相違があり, タサールサン, テンサン, ムガサンは他の種に比べて繭糸断面に存在するボイドの数が多く, 形も大きいものが観察された。また, ボイドを含む繭糸断面は概して繭の中層に多く出現することが明らかとなった。
  • *大門 高明, 三田 和英, 嶋田 透
    日本蚕糸学会 学術講演会 講演要旨集
    2003年 2003 巻 433
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/05/27
    会議録・要旨集 フリー
    カイコの新規なキチナーゼ遺伝子BmChi-hは,セラチア菌などの細菌やバキュロウイルスが持つキチナーゼと極めて高い相同性を示す一方で,相同遺伝子は他の真核生物からは見つかっていない.我々はこれを細菌あるいはウイルスからの遺伝子水平移動によるものと想像し,これまでにBmChi-hの発現解析とゲノム構造解析を行い,BmChi-hの転写が時期・組織特異的であること,5’-UTRに3つのアイソフォームが存在し,それぞれ別個のプロモーターから転写されることを明らかにしてきた.今回我々は近縁の鱗翅目昆虫からの相同遺伝子の単離とその構造解析を行った.
    ヤママユガ科
    2種・スズメガ科3種・ヤガ科1種からPCR法を用いて相同遺伝子を単離し,その配列を比較したところ,これら細菌型キチナーゼは互いに高い相同性を示し,機能的制約を受けることが明らかになった.さらに,ORFにイントロンが存在せず,かつ5’-UTRに複数のアイソフォームが存在する,というBmChi-hの特徴は,カイコ以外のオーソログにおいても保存されていることが示唆された.
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