ORIGEN2コードは広く利用されている燃焼計算コードであり、様々な炉心に対応する1群断面積
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を内蔵している。1999年には、我が国の評価済み核データ
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JENDL-3.2をベースとして、軽水炉と高速炉のORIGEN2用断面積
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(ORLIBJ32)が作成されている。その後、2002年にJENDL-3.3が公開されたため、ORIGEN2用断面積
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の改訂が行われた。本発表では、高速炉用
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の改訂について報告する。JENDL-3.3ベースの高速炉断面積
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作成には、ORLIBJ32と同様、「高速炉用ORIGEN2断面積
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作成ツール」を用いた。同ツールでは、JENDL-3.3より作成した327核種の73群無限希釈断面積を内蔵している。それらを対象炉心・領域の中性子スペクトルにより1群に縮約し、ORIGEN2断面積
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形式で格納する。炉心を構成する主要核種については、共鳴による自己遮蔽効果を考慮した実効断面積を用いる。なお、核異性体比については、ORIGEN2コードオリジナルの断面積
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の値とした。核分裂収率については、JNDC核分裂生成物
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第2版の値とした。JENDL-3.3ベースの
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作成対象高速炉は、ORLIBJ32と同様、高速実験炉「常陽」MK-I、原型炉「もんじゅ」、実証炉級炉心(60万kWe、MOX・金属・窒化物燃料)、商業炉級炉心(130万kWe、MOX燃料)等である。なお、今回の
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作成において、ORLIBJ32の高速炉部分の見直しも行った。この見直しは、主に高速炉70群炉定数セットの改訂を反映したものである。
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