鉄表面の酸化鉄(酸化第一鉄,四三酸化鉄,酸化第二鉄)におけるOK
α線,FeL
α線およびFeL
β線の波長シフトや強度比および波形をX線マイクロアナライザーによって測定した.また同時に数ミクロンの微小領域の状態分析の精度についてもあわせて検討した.
その結果として,(1)酸化鉄のOK
α線,FeL
α線およびFeL
β線の波長シフトは,0.003~0.012Åの誤差範囲内で測定でき,これらの波長は酸素の濃度の増加とともに短波長側にずれた.(2)酸化鉄のFeL
β線のFeL
α線に対する強度比は7%の誤差で測定でき,この値は酸素の濃度の増加とともに減少した.(3)酸化鉄のOK
α線の波形を求め,上記の(1)と(2)の結果をも考慮して,酸化第一鉄層中の析出物は四三酸化鉄であることを判定した.
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