群馬県草津および香草温泉は酸性泉の代表的例であり,長野県山の内混泉は弱アルカリ性温泉である。著者らはヒれらの温泉のヒ素含量を1961年および1963年に調査しつぎの結果を得た。
1)草津温泉:水温14.2°~64.0℃, pH 1.6~2.6, Cl
-64~600mg/l, SO
42- 212~1634mg/l, HBO
2 1.5~9,8mg/l,H
2S 0.0~13.4mg/l, As 0.12~0.90mg/l。
香草温泉:水温61°~62.0℃, pH1.5, Cl
- 3400~3620mg/l,SO
42- 3917~4135mg/l,HBO
2 31.2~31.8mg/l, H
2S 0.0~4.4mg/l, As 1,70~v2.00mg/l。
山の内温泉:水温43.0°~98.5℃, pH 3.6~8.4, Cl
- 166~650mg/l, SO
42- 180~380mg/l, H
2S 0.0~3.7mg/l, As O.23~1.50mg/。
2)草津温泉においてはCl
-, SO
42-, HBO
2, H2SおよびAsに富む酸性の熱水が深所から上昇し,これに浅所で地下水が混入しており,山の内温泉ではCl
-, HBO
2, H
2S, Asなどに富む弱アルカリ性の熱水が深所から上昇し,これに浅所で中性・または弱酸性の地下水が混入している。As/Cl比の大きさで比較すると山の内,草津,香草,湯釜の順となる。
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