シュウ酸ガドリニウム(III)十水和物の熱分解過程を種々の方法で究明し,つぎの結果を得た。シュウ酸ガドリニウム(III)十水和物は空気中,
不活性気体
中,二酸化炭素中いずれの場合にも基本的には脱ガス反応で進行する。その分解経過はGd2(C
2OA),10H,O→Gd,(C,O,),6H,O→Gd2e(C,O,)s,4H
2O→Gd2(C
20)3→Gd,O,COs→Gd20,である。
分解による発生気俸は水蒸気,-酸化炭素,二酸化炭素であり,空気中では酸化反応により酸素が消費されること,
不活性気体
中では遊離炭素の生成が顕著なこと,および二酸化炭素中では炭酸塩酸化物の安定領域が広いことなどが特徴である。
中間体としてこれまで報告されたGd,(COg)9およびGd20,,CO
2は検知されなかった。
これらの結果から,シュウ酸塩の熱分解過程について検討し,分解途中における炭素の生成,消滅機構についても言反した。
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