21世紀,日本が国際社会で生き残るには,新しい「モノづくり」による新産業創出の可否が鍵を握る.この「モノづくり」は「科学技術による基礎研究成果を「モノ」(商品,製品)の発想点とし,「技術と技能が車の両輪」となり,設計,製造,更にリサイクルまでの構想と実現」と定義する.いま,研究,開発,そして事業化への長い道のりを開拓していくには,専門分野だけでなく,幅広い教養と人間的魅力を持った資質の高いリーダー育成が研究,技術,技能,各分野で望まれている,その実現に向け「実地,知識,教養の融合による人間能力の調和的発展」をスローガンとし,工学,工業教育関係者は産業界でのモデルを参考に一致協力して,そのグランドデザインづくりに取り組まねばならない.日ごろ,若者に対する,教養教育の必要性を感じ,著者の産業界体験に基づく,「モノづくり」を基幹にした新しい教養講座私案を述べたい.
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