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クエリ検索: "亀田晃一"
2件中 1-2の結果を表示しています
  • ―鹿児島県垂水市における量的調査を中心に―
    亀田 晃一
    災害情報
    2012年 10 巻 43-55
    発行日: 2012年
    公開日: 2021/04/01
    ジャーナル フリー

    災害時の地域社会において、実効性のある災害情報が伝達され、その災害情報が実際に避難のきっかけとなって集団的避難が達成できるかどうかは、その地域の社会関係に依存しているのではないかとの仮説から、本論文では、災害多発地ながら災害情報伝達と避難行動に差異がある鹿児島県垂水市の2地区を研究対象地とし、これらの地区における住民の地域活動や近所付き合い、および災害時に入手する情報チャンネルのあり方が、災害時における避難行動とどのような関係にあるのかについて量的分析を行った。

    その結果、集団的避難を達成できる地区の住民は、地域組織に所属するのみならず、実際の地域活動にも積極的に参加しており、そこで生じた社会的接触により、近所付き合いなどインフォーマルな社会関係を深めていた。また、災害情報入手のチャンネルにおいては、避難に際し、フォーマルな情報チャンネルに加え、インフォーマルな社会関係によって形成される情報チャンネルからも多く災害情報を入手していた。さらに避難勧告によって避難する人においては、インフォーマルな情報チャンネルの効果が、避難に対して大きな影響を与えていることが量的分析により示唆された。

  • ~鹿児島県垂水市の事例をもとに~
    亀田 晃一
    災害情報
    2010年 8 巻 75-85
    発行日: 2010年
    公開日: 2021/04/01
    ジャーナル フリー

    行政組織やマス・メディアは,地域における災害情報伝達と避難に関し,情報を発すれば必然的に住民に伝わり,住民は情報を十分受容できる合理的存在であるという前提で情報を伝えてきた.しかし住民は,そのような機械的に発せられた情報を十分受け取り,活用してはおらず,日常の地域社会に存在する住民の社会的ネットワークの中で交換される情報こそが,避難行動への契機として大きく影響していると考えられる.しかし昨今の地域社会の現状をみると,住民の対面性が希薄になっており,地域の社会的ネットワーク,相互信頼の維持・構築が難しくなっている.そして,このような自治体のマニュアル化された機械的な情報の発し方と,地域住民の社会的関係の希薄化が,地域防災の機能不全を招いており,被害の拡大につながっていると考えられる.

    本論文は,鹿児島県垂水市の事例研究をもとに,実効的な地域防災システムを構築するためには,災害情報伝達および避難に関して,地域住民の社会的関係を重視した社会学的視点から地域防災のあり方を見直すことが必要で,社会的ネットワークや信頼,互酬性の規範を協調的社会の特徴としたソーシャル・キャピタルの観点から地域防災を考察した.その結果,住民は,地域の社会関係にもとづく社会的判断によって災害情報を受容・活用していること.また,地域の日常の社会的結合を強化することによって,集団的避難を促す「社会的装置」の駆動が可能であることが示唆された.

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