本論文では、人々が映画館に行って映画を見に行くか否かを決定する要因として、
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に焦点をあてて、物語論に基づいて分析する。即ち、物語論に基づく仮説プロットを提案し、
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と仮説プロットの一致度合いと、映画鑑賞行動との関連を主観評価実験により検討した。主観評価実験では、
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およびそれ以外の8個の要因について、10本の映画ごとに、映画館に映画を鑑賞しに行くか否かの決定のための重要度を6段階のスコアで被験者に評価させた。その結果、
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の構成が仮説プロットに則しているか否かは、映画を鑑賞しに行くか否かの決定の際に大きな影響を与える傾向が見られた。一方、大変著名な映画の場合、必ずしもこの傾向は見られない等、今後より厳密かつ統計的な解析が必要と考えられる。
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