煙道排ガスのN
2O測定法を確立するため,人為的N
2Oの生成条件を明らかにし,妨害物を除く前処理装置を製作した。ステンレススチール製真空瓶は採取・保存容器として最適であり,長期間での濃度変化は小さい。しかし短時間の保存であれば,ポリフッ化ビニル製バヅグも使用しうる。200ppmNO, 800PPm SO
2 および16.5mm Hg・H
2Oを含むエアーバランス混合ガスを採取保存容器中に3時間保存(大気圧,室温)すると,人為的に40ppm N
2Oが生成された。前処理剤を検討した結果,氷冷トラップ→ソーダ石灰→氷冷トラップ→塩化カルシウムの順序で使用すると効率的であった。この方法で前処理装置を製作し,室内実験ならびに実煙道でその性能を調べたところ,SO
2ならびにH
2Oが除去され,人為的N
2O生成が防がれた。これに基づく,流動床ボイラーでのN
2O濃度は50ppm以上であった。
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