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広岡 昌史, 堀池 典生, 金子 恵理, 阿部 雅則, 道堯 浩二郎, 坪井 敬文, 赤尾 信明, 恩地 森一
肝臓
2003年
44 巻
5 号
237-242
発行日: 2003/05/25
公開日: 2009/03/31
ジャーナル
フリー
症例は53歳男性. 狩猟を趣味としており猪肉を生食する機会があった. 平成12年11月の検診で腹部超音波検査にて肝内に多発するSOLを指摘され精査目的で当科に紹介され入院した. 入院時検査所見では白血球, 好酸球, IgEが著明に増加していた. 腹部超音波検査, CT検査, MRI検査で肝内に多発する径1cmまでの結節をみた. SOLに対し超音波誘導下肝生検を施行. 好酸球浸潤を伴う肉芽腫の所見であった. ELISA法にて寄生虫抗体を検査し, 犬回虫に対し陽性であった. 寒天ゲル内二重拡散法では患者血清は犬回虫抗原に対し沈降線をみた. 以上より犬回虫幼虫による肝内への幼虫内臓移行症と診断し, メベンダゾール200mg/日を3週間投与した. 10カ月後の超音波, CT検査では肝内のSOLは消失したが白血球, 好酸球は若干の改善にとどまっている. 肝内に多発する小結節像をみた場合, 本疾患を念頭に置き診療する必要があると考えた.
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高崎 淳, 片桐 聡, 小寺 由人, 有泉 俊一, 山本 雅一
日本臨床外科学会雑誌
2011年
72 巻
11 号
2882-2888
発行日: 2011年
公開日: 2012/04/13
ジャーナル
フリー
症例は51歳,男性.2009年8月,検診時に行った腹部超音波検査(以下US)で肝腫瘤を指摘された.既往にB型肝炎ウィルスキャリア.輸血歴なし.
USではS2肝表に径10mmの境界不明瞭な低エコーの腫瘤を認め,造影CT早期相では周囲のみが造影され,後期相では等吸収であった.B型肝炎ウィルスキャリアであり,悪性の可能性否定できず,充分なInformed consentのもと全生検目的に腹腔鏡補助下肝外側区域切除術施行した.切除標本肉眼所見では,弾性硬,黄白色調の二こぶ状腫瘤を認め,病理組織学検査では,悪性細胞は認めず多数の好酸球の集簇を認めた.抗寄生虫抗体スクリーニング検査の結果,ブタ回虫に対する抗体が陽性で,
内臓幼虫移行症
による肝好酸性肉芽腫症と診断した.ブタ回虫による肝好酸性肉芽腫症は10mm前後の結節を形成し,CTで造影効果を認める症例もあり,肝悪性腫瘍との鑑別が難しい症例が存在する.
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仲須 千春, 山田 眞一郎, 寺奥 大貴, 齋藤 裕, 池本 哲也, 森根 裕二, 島田 光生
肝臓
2023年
64 巻
10 号
504-509
発行日: 2023/10/01
公開日: 2023/10/12
ジャーナル
フリー
患者は50代女性.検診の腹部超音波検査で肝S3に16×14 mm大の腫瘤を指摘され精査加療目的に当科紹介となった.既往歴・生肉食歴なし.術前の血液検査で異常なく,末梢好酸球も正常.造影CTの動脈・門脈相では辺縁に造影効果を認めるが,平衡相では造影されず,MRI T1強調像で低信号,T2強調像で低~等信号,拡散強調像でやや高信号であった.PET-CTで肝臓への集積は認めなった.悪性腫瘍の可能性を完全に否定できず,腹腔鏡下肝部分切除を施行した.病理組織学的には腫瘤全体に凝固壊死像が見られ,辺縁に線維増生を伴い,組織球が柵状に配列したpalisading granulomaであった.原因特定のために複数の染色を行ったが,病原体は同定できなかった.palisading granulomaは術前診断が困難であり,診断的治療として腹腔鏡下肝切除術は有用であると考えられた.
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福谷 洋樹, 宮崎 将之, 森田 祐輔, 田中 紘介, 矢田 雅佳, 増本 陽秀, 本村 健太
日本消化器病学会雑誌
2020年
117 巻
3 号
270-276
発行日: 2020/03/10
公開日: 2020/03/10
ジャーナル
フリー
症例は49歳男性.B型肝炎治療中にCTでS4,S7に腫瘤を指摘.MRIではCTとは異なるS7に腫瘤を認め,S4に腫瘤はみられなかった.2カ月後のMRIではS7/6に新たに腫瘤が出現した.好酸球増多がみられたため寄生虫検査を行い,トキソカラ抗体陽性であった.肝トキソカラ症と診断し,アルベンダゾール内服にて腫瘤は消失した.好酸球増多,多発病変,腫瘤の自然消失は
内臓幼虫移行症
に特徴的な所見と考えられた.
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那須 繁, 山崎 昌典, 岩谷 良一, 井手 一馬, 水田 由紀, 船越 健彦, 宗 栄治, 井上 幹夫, 平田 経雄
健康医学
1997年
12 巻
3 号
301-303
発行日: 1997/10/30
公開日: 2012/08/27
ジャーナル
フリー
人間ドックの腹部超音波検査にて肝臓にビーズサインが検出され,精査により豚回虫内蔵幼虫移行症と診断された症例を経験した。症例は44歳,男性。牛の肉や肝の生食を好物としていた。自覚症状は特になく,平成8年6月当施設を受診した。腹部超音波検査にて,肝臓内に中央に線状エコーを持つ小低エコー域(ビーズサイン)が散在性に検出され,精査における寄生虫免疫血清学的検査により豚回虫内蔵幼虫移行症と診断された。
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落合 秀宣, 清水 敏朗, 浜田 英治, 山本 佳洋, 瀬在 秀一, 吉野 克正, 宇藤 浩, 森田 敏和, 平野 正憲, 岩瀬 透, 右田 徹, 岡 博, 鈴木 恒道
日本消化器内視鏡学会雑誌
1990年
32 巻
1 号
109-114_1
発行日: 1990/01/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
65歳男性.秋田県在住,農業・養鶏業自営.鶏肝の生食を好む.食欲不振・全身倦怠感・微熱を主訴として発症.入院時現症では,体温36.9℃,肝1横指触知.血液検査所見では,WBC22,400/mm
3(Eosino.70.5%)と好酸球増多あり,γ-globulin(IgE7,500u/ml)の増加,軽度肝障害と血沈・CRPの上昇を認めた.CT・エコー検査では特に所見は無いが,肝シンチ上,多数の欠損像を認めた.腹腔鏡検査では,肝表面凹凸不整で,黄白色結節が散在していた.同結節の狙撃生検により,好酸球高度浸潤を伴った肉芽腫性炎症像,さらに一部中心性壊死を認める肝組織を得た.血清免疫反応により猫蛔虫抗原との強い反応があり,猫蛔虫症と診断した.Thiabend-azole1,500mg3日間投与を数回行った結果,好酸球増多と自覚症状は改善.軽快後のシンチでは欠損像は消失し,肝生検像で好酸球浸潤と肉芽腫性変化は軽減し,グ鞘の線維化を認めた.本例は,本邦6例目のヒト猫蛔虫症例である.
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四倉 正也, 鈴木 慶一, 金田 宗久, 大作 昌義, 浅沼 史樹, 山田 好則, 森永 正二郎
日本臨床外科学会雑誌
2013年
74 巻
6 号
1655-1660
発行日: 2013年
公開日: 2013/12/25
ジャーナル
フリー
症例は58歳,男性.生活歴,既往歴に特記事項はない.他科で施行された血液検査で肝胆道系酵素の異常値を指摘され当科を受診した.白血球数上昇や好酸球増多は認められなかった.腹部超音波検査で肝S2に13mm大の低エコー腫瘤が認められた.同部位は単純CTで低吸収域となり,造影の動脈相から平衡相にかけて不均一な造影効果を呈した.肝内胆管癌を第一に疑い,肝外側区域切除術を施行した.病理組織診断では同病変は類上皮肉芽腫であり,その内部に寄生虫虫体と考えられる構造が認められ,
内臓幼虫移行症
と診断された.本症はしばしば他の肝腫瘤性疾患との鑑別が困難であり,白血球数上昇や好酸球増多,および肝外病変の存在が本症を疑う手がかりとなることが多い.自験例は術前検査では寄生虫感染を積極的に疑うことが困難であったが,極めて稀であるとされる虫体成分が切除病変から検出されたため,
内臓幼虫移行症
と診断することが可能であった.
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三ツ木 健二, 梅井 利彦, 井上 孝利, 隅田 〓男, 花田 基典
日本内科学会雑誌
1988年
77 巻
11 号
1742-1743
発行日: 1988/11/10
公開日: 2008/06/12
ジャーナル
フリー
症例は45才の男性.好酸球増加, IgEの上昇を認め,免疫電気泳動法による検索にて,猫回虫による
内臓幼虫移行症
と診断した.超音波検査,腹部CT検査で,肝に,多発性の小結節性低エコー域,低吸収域を認めた.肝の生検にて,これらの所見に一致すると思われる肉芽腫病変が得られた.肝に形成された肉芽腫を,画像診断で捉え,組織像で確認し得た症例はみられない.これらの所見は,本症の診断上,重要であると考えられた.
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畑 泰司, 立石 秀郎, 東野 健, 岡本 茂, 岡村 純, 門田 卓士
日本臨床外科学会雑誌
2000年
61 巻
9 号
2434-2438
発行日: 2000/09/25
公開日: 2009/02/10
ジャーナル
フリー
肝切除術後にブタ蛔虫の
内臓幼虫移行症
による肝好酸球性肉芽腫症と診断された症例を経験したので報告する.症例は51歳,男性.海外渡航歴はないが,牛肝,鶏肉の生食習慣がある. HBs抗体陽性のため腹部超音波検査を施行したところ肝S6に約20mm大の腫瘤を認め, MRIにて肝腫瘍が疑われた.血管造影およびAG-CTでは同部位にhyper vascular tumorを認め,肝細胞癌と診断された.肝S6部分切除術を施行したが,組織学的に肝細胞癌は認めず,肝好酸球性肉芽腫の像を呈していた.このため寄生虫症を疑い,免疫血清学的検査を行ったところ,ブタ蛔虫抗体が強陽性を示し,
内臓幼虫移行症
と診断された.肝腫瘍の診断,治療においては本疾患を含む肉芽腫性疾患も念頭に入れておく必要がある.
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斎藤 文彦, 岡部 義信, 菅 偉哉, 渡邉 徹, 有永 照子, 内藤 嘉記, 内田 信治, 久下 亨, 豊永 純, 神代 正道, 木下 壽文, 鶴田 修, 佐田 通夫
日本消化器病学会雑誌
2008年
105 巻
10 号
1509-1514
発行日: 2008年
公開日: 2008/10/08
ジャーナル
フリー
68歳男性.猪飼育,生食歴あり.糖尿病加療中に好酸球増多と膵体部腫瘍を認め当院紹介.膵腫瘍は画像所見とERP下膵管擦過細胞診で膵癌と診断.肝に多発小結節を認め生検で好酸球性肉芽腫だった.免疫血清学的検査で線虫類抗体が強陽性で
内臓幼虫移行症
の肝好酸球性肉芽腫を強く疑い,膵癌と幼虫移行症が偶発的に発症したと考え膵体尾部切除を行った.好酸球増多をともなう多発性肝腫瘍の診断には本疾患も念頭におき病歴聴取する必要がある.
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八幡 勝也, 奥野 府夫, 平野 芳昭, 筋田 和文, 稲本 善人, 江藤 澄哉, 中田 肇
肝臓
1989年
30 巻
10 号
1537-1542
発行日: 1989/10/25
公開日: 2009/07/09
ジャーナル
フリー
症例は63歳の男性.全身倦怠感・体重減少を主訴として昭和62年9月近医を受診.好酸球69%(白血球数16,300/mm
3)と好酸球増多があり,腹部エコーにて肝内に微小結節を多数認めたため,精査目的にて本院に入院.入院時には肝を1横指触知し,検査では白血球12,300/mm
3・好酸球55%,エコー・CTにて径約1cmの多数の肝内結節を認め,DSAの実質相で肝内に径1cmの濃染像を多数証明できた.便中に虫卵は認めなかったが,血清学的寄生虫検査で猫回虫に対する抗体が強陽性であったため,猫回虫幼虫移行症を強く疑い,diethylcarbamazine 150mgを3週間投与したところ,治療後には画像上肝内結節は消失し,好酸球も12%(白血球6,200/mm
3)と減少し,猫回虫に対する血清反応も低下した.以上より,本症例は猫回虫
内臓幼虫移行症
と診断した.本症例の肝内結節は当初画像診断上悪性疾患との鑑別が困難であったが,結果的には猫回虫
内臓幼虫移行症
として興味ある所見を示していたと思われるので,若干の文献的考察を加えて報告する.
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西方 宏昭, 平田 泰彦, 島村 隆二, 道免 和文, 工藤 二郎, 石橋 大海, 鬼塚 英雄, 織田 正道
日本消化器病学会雑誌
1991年
88 巻
10 号
2697-2702
発行日: 1991年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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松下 隆司, 田原 良博, 山本 章二朗, 永田 賢治, 駒田 直人, 堀 剛, 井戸 章雄, 弘野 修一, 林 克裕, 坪内 博仁, 名和 行文
肝臓
1997年
38 巻
12 号
730-734
発行日: 1997/12/25
公開日: 2009/11/17
ジャーナル
フリー
症例は70歳の女性. ペット飼育歴はなく, 鶏肉を生で食べる生活歴を有する. 乾性咳嗽のため近医で治療を受けたが, 咳嗽軽快後も好酸球増多が持続するため当科に入院した. 呼吸音に異常なく, 肝脾腫なし. 検便で虫体・虫卵は陰性で, 白血球増多と好酸球増多 (15, 500/
μl, 61%) を認めた. 胸部X線およびCT検査で両葉に多数の結節状陰影が, 腹部超音波検査で肝内に1cm大の境界不明瞭な多発性の低エコー像がみられた. 肝内結節性病変は単純CT検査で低吸収域を示し, 造影CTでは軽度造影された. 超音波下の腫瘤生検では門脈域と類洞内に好酸球の浸潤がみられたが, 虫卵や虫体は認めなかった. 血清学検査でブタ蛔虫 (
Ascaris. suum; A. suum) のみ陽性で, 同寄生虫による
内臓幼虫移行症
(visceral larva migrans; VLM) と診断した. Albendazole治療後, 好酸球数は低下し, 肺, 肝の結節性病変の改善を認めた.
A. SuumによるVLMの一症例を報告した.
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丸山 広高, 唐原 靖治, 出口 秀治, 渡辺 篤史, 山内 英治, 松下 芳雄, 松岡 潔, 稲葉 恵, 吉永 健, 有薗 健二
日本内科学会雑誌
2010年
99 巻
11 号
2835-2837
発行日: 2010年
公開日: 2013/04/10
ジャーナル
フリー
症例は52歳,男性.乾性咳嗽,胸部異常陰影,透析低血圧にて発症し,入院時の胸部CTで両肺に多発する非区域性,末梢側優位の浸潤影と好酸球優位の白血球増加(18,100/μl:好酸球45%)を認めた.気管支肺胞洗浄液中の好酸球比率が86.4%と著増していたため好酸球性肺炎と診断.ステロイド治療で肺病変や自覚症状は改善した.好酸球性肺炎の原因として,血清寄生虫抗体検査(Microplate ELISA法)にて血清中のイヌ回虫抗原およびブタ回虫抗原に対する高抗体価を認めたため,イヌ回虫もしくはブタ回虫による
内臓幼虫移行症
が疑われた.C型肝炎合併例であることから抗寄生虫薬であるアルベンダゾールは使用せずにステロイド治療のみ継続したが,好酸球性肺炎の再燃は認めなかった.
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山本 隆嗣, 宮地 克彦, 大畑 和則, 田中 肖吾, 上西 崇弘, 福本 信介
肝臓
2015年
56 巻
3 号
96-102
発行日: 2015/03/20
公開日: 2015/03/31
ジャーナル
フリー
症例は39才,男性で背部痛を主訴に来院した.ペット飼育歴があるが,鮮魚以外の生肉食歴はない.精査で肝S7に1.5 cmの腫瘤を認め,末梢好酸球,IgEは高値を示し,WBC,蛔虫およびアニサキス抗体は軽度高値を示した.画像上腫瘤中央は乏血で,軽度周辺に動脈血流の増生を認めた.上部下部消化管内視鏡検査に異常はなかった.炎症性偽腫瘍ないし好酸球性肉芽腫を疑ったが確定診断がつかず,腹腔鏡下肝部分切除を施行した.病理検査で好酸球性肉芽腫であったが,腫瘍内には虫卵,虫体は認めなかった.術4カ月後現在,再発は認めていない.好酸球性肉芽腫はI型アレルギー反応の一型であり,いずれの臓器にも発症しうる.肝の好酸球性肉芽腫はイヌ・ネコ回虫などの寄生虫の
内臓幼虫移行症
が殆どであるが,虫卵・虫体の証明できない例や,まれに他の原因の好酸球性肉芽腫も報告されており,今後も詳細な問診や検査を行った症例の蓄積が必要と考えられた.
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伊藤 孝一郎, 酒井 健二, 岡嶋 泰一郎, 大内 和弘, 船越 顕博, 西村 純二, 井林 博, 辻 守康
日本内科学会雑誌
1986年
75 巻
6 号
759-766
発行日: 1986/06/10
公開日: 2008/06/12
ジャーナル
フリー
1952年Beaverらは本来ヒトを固有宿主としない幼線虫が感染し,成虫になれずに幼虫のまま生存し,諸臓器を移行し諸症状を発現する疾患を
内臓幼虫移行症
と呼ぶことを提唱した.感染は虫卵の経口摂取によるが,われわれは鶏肝や牛肝の生食によると考えられる3例を経験した.このような報告は世界で最初であり新しい感染経路による発症とみなされるので報告する.症例1) 57才男,鶏肝, 2) 46才男,鶏肝, 3) 39才男,牛肝と3例共肝の生食後発病した.いずれも好酸球とIgEの著増がみられ,血清のOuchterlony法とimmunoelectrophoresisにより, 1)と3)はイヌ回虫, 2)はネコ回虫によると考えられた.
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坂本 安見子, 岡村 茂樹, 齋藤 誠哉, 松下 弘雄, 西村 卓祐, 木村 正美
日本臨床外科学会雑誌
2012年
73 巻
1 号
97-101
発行日: 2012年
公開日: 2012/07/25
ジャーナル
フリー
症例は53歳,男性.上腹部痛を契機に超音波検査とCT検査にて複数個の肝占拠病変が発見された.初診時好酸球増多と軽度の肝機能障害を認め,CEA軽度高値であったため転移性肝癌との鑑別の目的で肝占拠病変に対し針生検を行ったところ好酸球性膿瘍の所見であった.血清学的検査ではイヌ回虫抗体が高値であり,イヌ回虫による肝膿瘍が疑われた.標準治療薬であるアルベンダゾール内服により白血球数,肝エコー所見,肝機能の改善を認めた.本症例は普段より猪や鹿肉の生食を好み,これが感染源であったと推測された.
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澤 隆文, 大原 寛之, 久保 啓吾, 坂口 洋司, 久保 謹平, 磯本 一, 竹島 史直, 大曲 勝久, 水田 陽平, 村瀬 邦彦, 河野 茂
日本消化器病学会雑誌
1999年
96 巻
3 号
295-299
発行日: 1999/03/05
公開日: 2008/02/26
ジャーナル
フリー
症例は67歳男性で右季肋部痛を主訴に来院.好酸球増多と腹部エコーで肝に辺縁不整で内部エコー不均一な腫瘤を認めたため精査入院.腹部CT,MRI,血管造影検査で肝内胆管癌が疑われ手術を施行.術中穿刺細胞診で悪性所見はなく,多数の好酸球浸潤とCharcot-Leyden結晶がみられた.寄生虫学的検査で犬回虫による
内臓幼虫移行症
と診断し,治療によって腫瘤や好酸球増多は消失した.画像診断上非典型例でまれと考え報告した.
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中辻 裕司, 重本 昌三, 神代 尚芳, 七星 正久, 正木 繁
日本内科学会雑誌
1989年
78 巻
1 号
35-40
発行日: 1989/01/10
公開日: 2008/06/12
ジャーナル
フリー
牛肝生食後,乾性咳嗽,腹痛,下痢を主症状とし,著明な好酸球増加を示し血清学的に猫回虫抗原,犬回虫抗原と強い沈降線を形成し,最終的に猫回虫幼虫移行症と考えられた成人兄弟例を経験した.本症例では,牛肝生食によるという最近報告された新しい感染経路を裏付けていることの他,画像診断的に胸部X線写真上-過性に斑状陰影を呈し,さらに肝超音波像,肝CT像にても-過性に多発性の低濃度結節様陰影を呈し,その経時的変化を追跡することが出来た.本症例は,感染の契機がはっきりしており,初期より経時的に画像上の変化を追いかけることの出来たまれな症例であるのでここに報告する.
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名和 行文, 渡辺 直煕, 今井 透, 遠藤 朝彦
アレルギー
1999年
48 巻
8-9 号
886-
発行日: 1999/09/30
公開日: 2017/02/10
ジャーナル
フリー