背景.超音波気管支内視鏡下針生検(EBUS-TBNA)が診断に有用であった,縦隔原発大細胞型リンパ腫(primary mediastinal large B-cell lymphoma)の症例を経験したので報告する.症例. 42歳,男性.嗄声と胸痛を主訴に来院した.胸部CTで中縦隔に嚢胞状陰影を呈する腫瘤を認め,血液検査で急性炎症所見を伴っていた.感染を合併した気管支嚢胞の疑いで,外科的切除を行った.病理組織診で悪性リンパ腫を示唆する所見を認めたが,壊死が強く,診断が困難であった.結果.その後,新たな縦隔リンパ節腫大が認められ,同部位に対してEBUS-TBNAを行い, B細胞系の悪性リンパ腫に合致する所見を得た.最終的に縦隔原発大細胞型リンパ腫と確定した.結論.縦隔病変の診断にEBUS-TBNAは有用である.
抄録全体を表示