【目 的】 二期的乳房再建を決意した乳がん体験者の, がん罹患から現在までの自己概念の変化のプロセスと再建の意味づけを明らかにする.
【対象と方法】 乳房切除術後再建を行ったA氏と, 温存術を施行し2ヵ月後に再建術を決定したB氏を対象とし, ライフストーリー研究を参考に質的記述的に分析した.
【結 果】 自己概念の変化の類似性から抽出されたテーマは, 「1. 乳がんであることを人には言えない」「2. 乳房喪失・変形へのコンプレックスと生命の優先との間で揺れ動く」「3. 乳房再建への期待」「4. 乳房再建によって取り戻した自分らしい生き方・自信の回復」であった.
【結 語】 乳房再建術はボディイメージを高め, 女性としての新しい価値観を獲得していくための手段として有用である. 自己概念の変化のプロセスに沿って体験者の価値観の揺らぎや様々な思いを表出させ, その人に合った情報提供を行い, 自己価値観を高めていくことの重要性が示唆された.
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