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クエリ検索: "前頭極"
790件中 1-20の結果を表示しています
  • *石田 裕昭, 井上 謙一, 木村 慧, 高田 昌彦
    日本心理学会大会発表論文集
    2021年 85 巻 PI-003
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/03/30
    会議録・要旨集 フリー

    前頭極
    は霊長類にのみに存在が認められ,ヒト脳で最も発達している。ヒト脳を用いた脳画像研究は,
    前頭極
    外側部が課題遂行中の認知資源の分配,遂行のモニタリング,新たな選択肢の探索など目的志向的行動の制御に関与し,
    前頭極
    内側部は自伝的記憶,自分の未来を想像する,他者の内部状態を推測するなど自己と他者の認識に関与することを示している。多様な機能を示す
    前頭極
    だが,これらの機能がどのような神経ネットワークによって実現しているのか明らかではない。そこで本研究では,ヒトに近縁のマカクザルを用い,サルの
    前頭極
    内側部に狂犬病ウイルスを注入し,当領野の神経ネットワークを明らかにした。サルの脳内で狂犬病ウイルスはシナプスを越えて逆行性に伝播する。感染した神経細胞を染色し
    前頭極
    へ投射する神経ネットワークを調べた。その結果,
    前頭極
    内側部は,外側・腹側前頭連合野に加え,側頭連合野の高次視覚および聴覚領域,海馬周辺領域,後部帯状皮質から入力を受けることが明らかになった。
    前頭極
    内側部は,記憶情報と他個体の動作や声色などの社会的情報を統合している可能性がある。精神疾患と
    前頭極
    内側部の神経ネットワークの関連性を議論する。

  • 岡 一成, 橋本 隆寿, 朝長 正道, 前原 史明
    脳卒中の外科
    1991年 19 巻 1 号 51-54
    発行日: 1991/04/30
    公開日: 2012/10/29
    ジャーナル フリー
    The operative field of the anterior interhemispheric approach depends on the frontopolar vein, height of the endofrontal eminence, and the lamina cribrosa. We measured the distances between the frontopolar vein and the nasion (F-N distance) and the frontopolar vein and the lamina cribrosa (F-C distance) in lateral view of both carotid angiograms (subtraction films) in 67 cases. The frontopolar vein drained bilaterally into the superior sagittal sinus at the frontal pole in 59 cases (88%). In the remaining 8 cases, the frontopolar vein entered into the well-developed frontal cortical vein instead of the superior sagittal sinus and drained into the superior sagittal sinus at the rolandic area. These configurations were found in 2 cases with both sides, in 3 with the right and in 3 with the left side. The F-N distance averaged 4.2cm (ranging from 3 to 6cm) and the F-C distance 5.3cm (ranging from 4 to 7cm). Before using the anterior interhemispheric approach, it is very important and necessary to know the relationship between the frontopolar vein and structures (the endofrontal eminence, the lamina cribrosa and nasion) of the anterior cranial fossa
  • 立岡 悠, 安達 智美, 河村 祐貴, 高橋 良輔, 池田 昭夫
    臨床神経生理学
    2023年 51 巻 6 号 658-660
    発行日: 2023/12/01
    公開日: 2023/12/26
    ジャーナル フリー

    脳波判読において眼球運動アーチファクトは前頭部の徐波と誤って判断されることがあり,その鑑別のためには眼電図(electrooculogram)を同時記録することが確実な方法である。一方で日常脳波判読では簡便に,①

    前頭極
    電極に対して前頭電極での振幅の減衰が急峻であり,周囲の電極への波及が乏しいこと,②眼球運動特有の波形は,徐波成分の形状が脳波としては不自然であることから,眼電図の装着なしに鑑別していることが少なくない。本症例では両側
    前頭極
    (Fp1,Fp2)に半律動性徐波を認め,他の電極への波及が乏しいことから眼球運動との鑑別を要したが,眼電図の同時記録により脳波と確認できた。本症例は,脳波の徐波成分の双極子が前頭電極に垂直ではなく前方に傾いた場合は,
    前頭極
    電極主体に電位が生じ,前頭葉由来の徐波を眼球運動と見誤る可能性を示した。このことから,両者の鑑別に迷うときはEOGの確認により正確な鑑別が可能となることが再確認された。

  • 石黒 幸治, 浦川 将, 高本 孝一, 堀 悦郎, 石川 亮宏, 小野 武年, 西条 寿夫
    理学療法学Supplement
    2013年 2012 巻 A-O-01
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/06/20
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに、目的】脳卒中患者は手足の麻痺を呈するが、集中的なリハビリテーションにより運動機能が改善し、生活の質も向上する。これらリハビリテーションの効果は運動学習効果に依存し、脳卒中後にリハビリテーション課題を反復練習することにより、脳内神経回路が再構築され、麻痺した上肢の運動機能が改善する。近年の脳機能イメージング研究によると、運動学習中には運動関連領野だけでなく前頭前野が賦活化されることが報告されているが、前頭前野の最前部に位置する
    前頭極
    の役割については異論も多い。一方、脳機能イメージング研究で使用される近赤外分光法(NIRS)は、他のイメージング技術と異なり被験者を拘束せずに実際の状況下で脳機能画像を撮像できる利点があるが、脳血行動態に頭皮の血行動態が混入するという欠点もある。そこで、本研究では、全頭型NIRSヘッドキャップを用いて運動学習中の頭部血行動態を測定するとともに、複数のプローブ間距離で前頭部血行動態を測定し、
    前頭極
    の脳内血行成分を分離して測定することを試みた。さらに、
    前頭極
    を経頭蓋直流電気刺激(tDCS)を用いて刺激することにより、運動学習における
    前頭極
    の役割について検討した。【倫理的配慮、説明と同意】本研究はヘルシンキ宣言に従った研究企画書を本学の倫理委員会に提出し、承認を得た上で行い(臨認23-98)、被験者には十分な説明と同意のもと実施された。【方法】被験者には、簡易上肢機能検査(STEF)にて手前に置いた小さな金属棒を右母指と示指で摘み、前方の小さな穴に入れるペグ課題を行わせ、課題時間20 秒におけるペグの移動本数をペグスコアとした。実験スケジュールは、ペグ課題20 秒間とその前後の休息30 秒間を1 ブロックとして合計8 ブロック行わせた。また対照課題として、ペグを摘まないことを除きペグ課題と全く同じ動作を行なうリーチング課題を行わせた。近赤外分光法(NIRS)を用い、同課題中の脳血行動態(Oxy-Hb, Deoxy-Hb, Total-Hb)を記録した。実験1 では、12 名の被験者を用い、送光および受光プローブを30mm間隔で配置した全頭型NIRSキャップで頭部血行動態を測定した。ついで運動関連領野8 領域を関心領域とし、各領域における8 ブロックのOxy-Hb反応曲線から、反応潜時および反応曲線の立ち上がりの傾きを計測した。また、8 ブロックにわたるOxy-Hb反応増加率およびペグスコア増加率を求めた。実験2 では、15 名の被験者を用いた。送光プローブ1 個に対し受光プローブ5 個を6mm間隔で配置した小型NIRSキャップを用いてプローブ間距離を5 段階(Ch1 〜5)に設定し、
    前頭極
    上の頭皮から血行動態を計測した。解析では、Oxy-Hb反応曲線を独立成分解析(ICA)法にて解析し、5 個の独立成分に分離した。ついで独立成分を求める混合行列式から、各チャンネルの信号に占めるCh1 の成分(頭皮由来成分)を算出し、頭皮成分を補正した反応量(脳由来反応量)を算出した。実験3 では、14 名の被験者を用い、tDCS群と偽刺激群の2 群に分けた。いずれの群でも
    前頭極
    には陽極を、後頭部には陰極を設置し、tDCS群では課題前に1000 μAで900 秒間通電した。【結果】実験1 の全頭部記録では、
    前頭極
    のOxy-Hbの反応潜時が最も早く、また8 回の反復遂行におけるOxy-Hb反応の増加率は、
    前頭極
    と他の関心領域間で有意な正相関が認められた。さらに、
    前頭極
    においてOxy-Hb 反応の増加率とペグスコアの増加率の間に、有意な正相関が認められた。実験2では、非補正および補正反応量のいずれにおいてもリーチング課題と比較してペグ課題で大きかった。また、Ch1 と比較してCh5 では、Oxy-Hbの反応潜時が最も早く、反応スロープも有意に大きかった。さらに、脳由来反応量の増加率とペグスコアの増加率との間に正相関が認められた。実験3では、tDCS群は偽刺激群よりもペグスコアが有意に大きかった。【考察】本研究では、1)
    前頭極
    の反応潜時が最も短い、2)
    前頭極
    におけるOxy-Hb反応が他領域と相関する、3)
    前頭極
    におけるOxy-Hb反応増加率がペグスコア増加率と相関することなどから、
    前頭極
    が反復運動学習の課題遂行性の改善に重要な役割を果たしていることが判明した。さらに、本実験では
    前頭極
    へのtDCSが運動学習を促進することが明らかになったが、脳卒中後の患者に対しても同様の効果が期待され、今後の新しい神経リハビリテーションの戦略として期待される。【理学療法学研究としての意義】科学的根拠に基づいた神経リハビリテーション治療の可能性を広げる。
  • 第二編 細胞構成学的観察
    川上 稔
    日本医科大学雑誌
    1942年 13 巻 1-4 号 197-222
    発行日: 1942/04/15
    公開日: 2009/12/04
    ジャーナル フリー
  • 特ニ大腦皮質III層神經細胞數(絶對密度)ニ就テ
    吉田 忠, 奥貫 正雄
    日本医科大学雑誌
    1940年 11 巻 10 号 1461-1471
    発行日: 1940/10/15
    公開日: 2009/07/10
    ジャーナル フリー
  • 中田 健史, 浦川 将, 高本 考一, 堀 悦郎, 石川 亮宏, 小西 秀男, 小野 武年, 西条 寿夫
    日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌
    2013年 17 巻 2 号 117-125
    発行日: 2013/08/31
    公開日: 2020/05/17
    ジャーナル フリー
    本研究では,口唇閉鎖訓練の効果を,脳活動・口唇機能の観点から検討した.健常女性19 名(22.1±2.9 歳)を対象に,口腔リハビリ器具を用いて,口唇閉鎖訓練を4 週間続けて行う(Training)群と同訓練を行わない(Control)群に無作為に分けた.同訓練前後で最大口唇閉鎖力を測定するとともに,口腔リハビリ器具を用いた口唇閉鎖課題および最大口唇閉鎖力50% 保持課題遂行中の脳酸素化ヘモグロビン(Oxy-Hb)変化量を,全頭型NIRS(近赤外分光法)測定装置を用いて記録した.最大口唇閉鎖力50% 保持課題では,各被験者の最大口唇閉鎖力の50% の力を維持させた.その結果,Training 群では,最大口唇閉鎖力が増加し最大口唇閉鎖力50% 保持課題における誤差値が有意に縮小した.脳活動では,訓練前においてControl 群およびTraining 群ともに,口唇閉鎖課題時に
    前頭極
    ,左右背外側前頭前野,補足運動野,および前補足運動野におけるOxy-Hb 変化量が増大した.しかし,同訓練後は,
    前頭極
    におけるOxy-Hb変化量がControl 群では増加しなかったのに対し,Training 群では増加した.以上から,口唇閉鎖訓練を継続して行うことにより,口唇閉鎖機能の向上だけでなく,前頭前野の持続的な脳賦活効果が認められた.
  • 滝沢 龍, 笠井 清登, 福田 正人
    日本生物学的精神医学会誌
    2012年 23 巻 1 号 41-46
    発行日: 2012年
    公開日: 2017/02/16
    ジャーナル オープンアクセス
    現在の臨床精神医学の克服すべき点の1つに,診断と治療に役立つ生物学的指標を探索・確立することがある。今回は,発達(個体発生)や進化(系統発生)の視点から,生物学的精神医学において必要な脳研究の方向性に示唆が得られないか探ることをテーマとした。人間の脳の発達・成熟のスピードは部位によって異なり,より高次の機能を担う部位では遅く始まると想定されている。思春期には,前頭前野のダイナミックな再構成が起こり,この時期の発達変化の異常が統合失調症などの精神疾患の発症と関連している可能性も指摘されている。進化の視点からは,前頭前野の中でも
    前頭極
    や言語機能に関連する脳部位が人間独特の精神機能と関連するとして注目が集まってきている。進化論により注目される脳部位と,それに関連する最も高次な認知機能への理解が進むことは,人間独特の精神機能や,その障害としての精神疾患への鍵となる見識をもたらすことが期待される。
  • ─近赤外分光法を用いた測定と考察─
    藤田 信子, 池田 耕二, 松野 悟之, 三木 健司, 仙波 恵美子
    理学療法科学
    2023年 38 巻 5 号 338-344
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/10/15
    ジャーナル オープンアクセス

    〔目的〕中高年線維筋痛症患者と中高年健常者のStroop test時における前頭前野の活動を近赤外分光法で測定し,結果を比較・検討した.〔対象と方法〕対象を中高年線維筋痛症患者と中高年健常者の2群に分けてStroop testを行い,前頭前野の活動を近赤外分光法で測定した.酸素化ヘモグロビン(oxy-Hb値),およびtask-induced deactivationの傾向を表すΔoxy-Hb値を2群および前頭前野3領域で比較した.〔結果〕Stroop test時の右背外側前頭前野のoxy-Hb値は,中高年線維筋痛症患者に比べて中高年健常者で有意に高かった.中高年線維筋痛症患者の

    前頭極
    のΔoxy-Hb値は,左右の背外側前頭前野領域より高い傾向を示した.〔結語〕Stroop test中,中高年線維筋痛症患者には中高年健常者のような前頭前野の活動はみられず,加えてデフォルトモードネットワークの抑制機能の低下が示唆された.

  • 山内 秀雄, 野田 泰子, 須貝 研司, 高嶋 幸男, 黒川 徹
    脳と発達
    1991年 23 巻 5 号 492-496
    発行日: 1991/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    前頭葉起源の自動症を呈する2例を報告した.共通した自動症の臨床的特徴は,(1) 開始, 終了が突然である,(2) 発作時間が短い,(3) 動作停止ないし凝視期がない,(4) 腹臥位になり四肢および体幹を激しく不規則に動かす, うなり声ないし悲鳴様の大きな発声を伴うあるいは急に走りだすことがある,(5) 群発する傾向をもつ,(6) 発作時に意識が保たれていることがあり, 発作直後より意識は清明である,(7) 難治性である,(8) 偽性てんかんと誤診されやすい, などであった.自動症時の脳波は激しい運動活動のためartifactのみしか捉えられなかった.自動症開始直前に前頭部,
    前頭極
    部の低振幅律動性速波を認め, また直後の脳波所見は覚醒閉眼時で両側前頭部,
    前頭極
    部に高振幅徐波を認め, 同時に後頭部を中心にα波を認めた.これらの脳波所見は発作の中心が両側前頭葉に限局し, 他の部位に波及しなかったことを示唆するものと考えられた.
  • 近赤外線分光法による検討
    *庭野 賀津子, 田邊 素子 
    日本心理学会大会発表論文集
    2019年 83 巻 1C-037
    発行日: 2019/09/11
    公開日: 2020/09/26
    会議録・要旨集 フリー
  • 日本医科大学雑誌
    1938年 9 巻 4 号 876
    発行日: 1938年
    公開日: 2009/07/10
    ジャーナル フリー
  • 富田 望, 熊野 宏昭
    不安症研究
    2022年 14 巻 1 号 19-28
    発行日: 2022/11/30
    公開日: 2022/12/26
    ジャーナル フリー

    社交不安においては,自己注目と他者注目が症状の維持要因とされているが,社会的場面において2つの注意の偏りがどのような関係にあるのかを示した実証的研究は少ない。本稿では,自己注目や他者注目を視線や脳活動によって可視化することで,両者を比較可能な形で捉えることを目的とした,Tomita et al.(2020)とTomita & Kumano(2021;第2回日本不安症学会学術賞受賞論文)の2つの研究を紹介した。研究の結果,右

    前頭極
    と左上側頭回の過活動は対人場面で生じる自己注目や他者注目それぞれの客観的指標となることが示唆された。対人場面でこれらの脳活動をリアルタイムに測定することで,社交不安者の自己注目と他者注目の程度を,本人が自覚していない場合でも予測できることが期待される。また,自己注目と他者注目は独立した構成概念であることが脳の観点から示唆された。

  • 特ニ大腦皮質ニ於ケル神經細胞密度竝ニ大腦皮質ノ厚徑ニ就テ
    吉田 忠
    日本医科大学雑誌
    1940年 11 巻 4 号 657-726
    発行日: 1940/04/15
    公開日: 2009/07/10
    ジャーナル フリー
  • 其2. 組織學的觀察
    長澤 米藏, 吉田 忠
    日本医科大学雑誌
    1940年 11 巻 2 号 183-264
    発行日: 1940/02/15
    公開日: 2009/07/10
    ジャーナル フリー
  • 北岡 信親
    日本医科大学雑誌
    1938年 9 巻 3 号 511-616_1
    発行日: 1938/03/15
    公開日: 2009/12/04
    ジャーナル フリー
  • 中田 健史, 浦川 将, 高本 考一, 石黒 幸治, 福田 紗恵子, 堀 悦郎, 石川 亮宏, 小西 秀男, 小野 武年, 西条 寿夫
    理学療法学Supplement
    2013年 2012 巻 A-O-08
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/06/20
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに、目的】咀嚼および口腔機能の低下は認知症の危険因子であり、逆に咀嚼運動を行うことは高次脳機能を賦活することが示唆されている。本研究は、継続的な口唇閉鎖運動が口輪筋の機能ならびに前頭前野の脳活動に及ぼす影響を検討した。【方法】健常女性19 名(22.1 ± 2.9 歳)を対象に、無作為に口腔リハビリ器具を用いて1 回3 分の口唇閉鎖運動を1 日3 回、4 週間続けて行う口唇運動群と、行わない対照群に分け、4 週間前後で最大口唇閉鎖力と口唇巧緻性動作課題ならびに口唇閉鎖運動課題遂行中の前頭前野Oxy-Hb濃度変化を、全頭型NIRS(近赤外分光法)測定装置を用いて記録した。また、老人保健施設に入所中の高齢者5 名(82.6 ± 2.7 歳)に同様の口唇閉鎖運動を行わせ、脳覚醒度(前頭部脳波:BIS値)、口腔機能、睡眠・覚醒パターン(日周リズム)、および食事動作に対する効果を解析した。【倫理的配慮、説明と同意】本研究では、事前にヘルシンキ宣言に基づいた実験計画書を富山大学倫理委員会に提出し承認を得た上で、全被験者に実験内容やリスクの説明を十分に行い、同意書に署名して頂いた方を対象に研究を実施した。【結果】4 週間口唇閉鎖運動を行った健常者口唇運動群は、対照群に比べ、最大口唇閉鎖力と口唇巧緻性動作課題における口唇運動の調節能力が有意に向上した。脳活動では、口唇閉鎖運動時に
    前頭極
    、左右外側前頭前野、補足運動野、および前補足運動野でOxy-Hb濃度変化が増大した。また4 週間の口唇閉鎖運動介入により、対照群の
    前頭極
    では、4 週間後にOxy-Hb濃度変化が低下したが、口唇運動群では介入4 週間後でもOxy-Hb濃度変化増加が維持されていた。ガム咀嚼との比較では、口唇閉鎖運動時の前頭前野Oxy-Hb濃度変化はガム咀嚼時に比べ口唇運動群はより有意に増大した。高齢者実験では、全被験者において、BIS値の上昇や最大口唇閉鎖力と反復唾液飲み込み回数の向上が認められ、24 時間周期の日周リズムのパワー値が増大した。また、特定の被験者においては、唾液反応性の向上、食事動作時の食べこぼし回数の減少、日中活動期間中の覚醒度の向上、睡眠効率の向上などが認められた。【考察】先行研究によると、口唇閉鎖力は、男女とも18 歳から20 歳まで増大し、そのまま推移するが、60 歳を過ぎた頃から急速に低下する。本研究では対象者の平均年齢は22.1 歳であり、筋肉の成長発育が完成した後であっても、くり返しの口唇運動によって口唇閉鎖力が増大することを示している。反復唾液飲み込み回数の唾液反応性の向上に関して、唾液分泌に関与する中枢については、唾液腺を支配する交感および副交感神経の節前ニューロンは延髄と脊髄に存在している。しかし、上位中枢のみを除去した除脳動物(ラット)では、痛み刺激に近い強度で口腔内刺激を行わないと唾液分泌が誘発されず、その分泌量も摂食時に比べ極めて少ないとの報告があり、唾液分泌は下位脳幹・脊髄の反射による分泌よりも、むしろ摂食行動の調節に関与する上位中枢、とくに大脳皮質(咀嚼運動野近傍)、扁桃体、および視床下部の制御を強く受けていることが示唆されている。これらのことから口唇閉鎖運動による唾液分泌量増加は、運動により上位中枢が賦活された可能性が示唆される。一方、今回関心領域とした前頭前野は、意図的な思考過程に用いられる短期的記憶に中心的な役割を担っている。さらにその前部に位置する
    前頭極
    は、複数の認知的処理過程の結果やルールを統合し、高次の行動目標を導く過程に重要な役割を果たし、それより後方に位置する前頭前野の機能(作動記憶)を統合・調節していることが示唆されている。一方、口輪筋を含む表情筋からの求心性線維、歯根膜受容器、ならびに咀嚼筋の固有知覚受容器や口腔表在知覚受容器からの入力を受ける三叉神経中脳路核や主知覚核および脊髄路核は上丘に投射している。この上丘は、
    前頭極
    を含む大脳皮質に直接ならびに間接的に投射しており、注意覚醒反応に関与していることが報告されている。これらの結果は、持続的な口唇閉鎖運動が上丘を介して
    前頭極
    を含む大脳皮質を持続的に賦活することを示唆する。さらに、口唇閉鎖運動が
    前頭極
    を介して前頭前野全体を賦活している可能性も示唆され、口唇閉鎖運動は口腔機能のみならず認知機能の観点からも有用性が示唆された。【理学療法学研究としての意義】口唇閉鎖運動は口輪筋の運動機能の向上のみならず、
    前頭極
    を持続的に賦活させ、認知機能の観点からも有用性が示唆された。さらに同運動は、誤嚥リスクが少なく、特に高齢者に有用であると考えられる。
  • ―近赤外分光法(NIRS)による検討―
    石黒 幸治, 浦川 将, 高本 孝一, 堀 悦郎, 川合 宏, 小野 武年, 西条 寿夫
    理学療法学Supplement
    2009年 2008 巻 S2-025
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/25
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】
    リハビリテーション医学で用いられる巧緻性課題の反復は、脳血管障害後の脳機能回復促進と、その後の日常生活動作向上に重要である.従来の非侵襲的研究では単純な動作課題の反復に対する脳機能イメージングは報告されているが、リハビリテーション医学で用いられている上肢や手指の巧緻性や協調性が必要とされる運動学習中の脳機能イメージングに関する報告は少ない.本研究では、リハビリテーション動作課題における運動学習中の脳機能活動の変化を、近赤外分光法(Near infaraed spectroscopy ; NIRS)により検討した.
    【方法】
    本学倫理委員会の承認を得て、19歳から39歳までの健常人15名の被験者に研究内容を説明し、同意書に記名して頂いた.行動課題では、簡易式上肢機能検査(Simple Test for Evaluating hand Function ; STEF)を使用し、小さな金属製円筒(ペグ)を母指と示指にて掴み、素早く孔に差し込む課題を行わせた(ペグ課題).同ペグ課題20秒間とそれに続く安静60秒間を1サイクルとし、8サイクルを繰り返し行わせた.脳機能イメージングには、島津製作所製NIRStationおよび108chの全頭-側頭型NIRSキャップを用い、課題遂行中の脳表の血行動態(Oxy-Hb、 Deoxy-Hb、およびTotal-Hb)を測定した.解析は、脳領域を
    前頭極
    、補足運動野など11領域に分けて行った.課題遂行中の行動は、ビデオで撮影して解析した.
    【結果】
    ペグ課題を8サイクル繰り返す運動学習により、課題の達成度(ペグの移動本数)は有意に増大した.8サイクルを通してのOxy-Hb反応変化を各脳領域において解析した結果、最も早期に
    前頭極
    が反応し、その後、運動関連領野が順次反応した.また、
    前頭極
    、補足運動野、運動前野、第一次感覚野の4領域の活動は有意に相関していた.さらに、1サイクル当りのペグの移動本数の増加率と、これら4領域における血行動態(Oxy-Hb)の1サイクル当りの増加率が有意に相関していた.
    【考察】
    運動学習を目的としたリハビリテーション動作課題において、課題を反復遂行することにより運動技能が有意に向上した.本課題のような巧緻性運動の学習には、
    前頭極
    が重要な役割を果たし、他の前頭葉運動関連領野の活動を誘導している可能性が示唆された.
  • 堀田 秀樹, 浜野 晋一郎, 前川 喜平
    てんかん研究
    1991年 9 巻 1 号 63-66
    発行日: 1991/04/30
    公開日: 2011/01/25
    ジャーナル フリー
    脳波上, 後頭部と
    前頭極
    部にほぼ同期した棘波もしくは棘徐波 (O, Fp棘波) をみる25例を対象とした。調査時年齢は平均10歳5ヵ月であった。
    臨床診断は, てんかん19例, 熱性痙攣4例などで, てんかん19例の発作型は二次性全般発作に至るものが18例と多く, 前兆として眼症状を訴えたのは3例であった。頭部CTで異常を示したのは3例のみで, 発達指数・知能指数は80未満を示すものが28.0%であった。脳波についてみると, O, Fp棘波は68.0%の例が8~12歳で出現し, ほとんどの例 (16例) で後頭部では両側性の棘波,
    前頭極
    部では一側性の棘徐波の形をしていた。発作の予後については, 3年以上追跡できた16例で3年以上発作のなかったものが43.8%と少なかった。
  • 市山 高志, 林 隆
    脳と発達
    1990年 22 巻 3 号 292-294
    発行日: 1990/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    外傷性てんかんの1例で核磁気共鳴像で左眉毛部から左尾状核頭部, 左視床に至る線状の病変を経験した.脳波上, 左
    前頭極
    部, 左中心部, 右中心部, 左頭頂部, 右頭頂部にそれぞれ独立した棘波を認めた.棘波の発生について視床と尾状核の病変が強く関与していると考えた.
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