本研究は,地域公共交通における地域間幹線系統バスの高規格道路の活用方策を提案することを目的とする.鉄道廃止後は鉄道と並行する一般国道を中心に路線バスが運行されることが多い.そこで,地域間のバスでの移動において,高規格道路を通行する地域間バスと,自治体内を巡る地域内バスに分離したバスネットワークを導入すべき区間を明らかにする導入判定プロセスを構築し,これを北海道内の日高,後志,道北に適用した.その結果,目的地たる施設が市街地に集中している箇所,またIC間が10km程度離れている箇所を中心に,これが適する区間が多く存在することを明らかにした.また,道北における中川–幌延間では,提案するバスネットワークは乗継の影響により鉄道ほどの速達性は持たないことも示した.
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