アンギオテンシンIIタイプ1受容体拮抗薬 (CS-088) の有色家兎における中枢性眼圧下降作用の可能性について検討した.有色家兎に50μLCS-088を無麻酔下で片眼投与, 口腔内投与, または耳介静脈より静脈内投与した.脳室内投与は, Fifkova脳図譜に従い, 側脳室にガイドカニューレを挿入し, 2週間経過した有色家兎に10μL CS-088 (5μL/min) を投与した.CS-088投与後, 経時的にpneumatonographを用いて眼圧を測定し, 合わせ, 血圧も測定した.6% CS-088片眼投与30分後に両眼の眼圧はコントロール群に比べ有意に低下したが (p<0.05, n=6) , 血圧は変化しなかった.6%CS-088口腔内投与では血圧及び眼圧は変化しなかった.6%CS-088静脈内投与30分後には, 両眼の眼圧及び血圧ともにコントロール群に比べ有意に低下した (p<0.05, n=5) .0.06%CS-088脳室内投与では, 眼圧及び血圧共に変化しなかった.以上のことから, CS-088点眼による眼圧下降作用には眼局所での直接作用だけでなく, 交感神経節が関与している可能性が示唆された.
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