著者は第9回, 第10回土木史研究発表会で, 明治期の攻玉社 (工学校) について断片的に発表した。この論文では、同校に残存する史科その他に基づいて、同校と学制との関係, 生徒の実態, 土木教育の内容, 勉学状况, 就職状況などについて調べた。
また, 同校の同窓会誌が土木総合雑誌として, 会員数の約8倍の部数が頒布されていたこと, また, 明治39年~明治40年に農商務省委託耕地整理技術講習所が開講されたことについても調査した。
これらの調査かち, 明治期の青少年が機会を求めて勉学し, それぞれの道を開拓していった様子の一端がうかがえると思う。そして, その人達が当時の殖産興業・国土開発の第一線を担ったのである。
今回は, 他の土木関係の学校についても, 比較検討して見たいと思ったが果せなかった。
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